起立性調節障害の原因【中学生・高校生が抱える精神的ストレス】

起立性調節障害は思春期に見られる特有の病気で、根本的には自律神経の不調が原因です。その自律神経の不調は精神的ストレス、成長期の急激な体の変化によって起こるものですが、なんともわかりにくい。

起立性調節障害がどのようなメカニズムで身体的な不調を引き起こすのか、何が原因で症状が出ていて、その背景にある精神的なストレスがどのように関わっているのか、この辺をこの記事で取り上げます。

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起立性調節障害の根本原因は自律神経の不調

最初の述べた通り、起立性調節障害の”症状の根本的な原因”は自律神経の不調です。起立性調節障害の症状がでるまでの流れを理解するのに、まずは「自律神経」と「血圧」といった人の体の仕組みをおさらいしましょう。

そもそも自律神経ってなに?

人間に身体は、休息したりリラックスして体を休める時に優位になる副交感神経と、意識を覚醒させて活発に活動する時に優位になる交感神経の2つで構成される自律神経を持っています。

野生のライオンを想像してもらうと分かりやすいですが、獲物を狩るときや外敵に晒されている時は覚醒の交感神経、獲物をお腹いっぱい食べ終わってあくびしながらお昼寝している時は交感神経が働きます。

人間の体も、夜はリラックスする副交感神経、朝から日中は交感神経が働いていてその切り替わりは自然と無意識に行われます。

人は朝起きると自律神経の交感神経が優位になり、身体を覚醒させている

窓のカーテンが少し開いた状態

人間の体は心臓が脈を打つことでポンプのように血液を押し出し、全身に血が行き渡るように意図的に流れを作っています。

その心臓が血液を押し出す力の強さのことを血圧といいますが、血圧の高い、低いは自律神経によってコントロールされています。

就寝中は血圧は低くなりますが、朝起きると覚醒モードになり、血圧は上昇します。ここまで一般的な知識ね。

起立性調節障害の症状が出る原因とメカニズム

次に、起立性調節障害の子どもがなぜ朝起きれなくなるのか?について解説します。

人が身体を横にして寝ている時は、心臓と脳みそは同じ高さにありますから、血流は十分に確保できています。しかし、頭を起こして自分の足で起立すると、脳みそは高いところに、心臓が真ん中に、下半身は低いところになりますよね。

すると頭部にあった血液は重力の関係上、下に降りてきてしまうんですが、人間の体はそうならないよう防御機能を備えています。人は起立すると自律神経を働かせて血圧を上げ、血管を収縮させるなどの工夫をして頭部に一定量の血液を確保する機能があります。

人体

しかし、起立性調節障害の患者は自律神経が働かないので防御反応も働かず、文字通り頭部から下半身に血液が降りてきてしまいます。その結果、頭部を始め全身に血液を供給できず、意識が朦朧として朝は全く起きれなくなるという訳です。

そこで無理やり起きた、起こしたとしても、意識は朦朧とし、目眩、立ちくらみ、吐き気、下痢など全身で色んな不調をきたします。

起立したときに体内で血流を調節する機能の障害、これが起立性調節障害です。

朝に身体が起きず、夜に覚醒し、生活リズムが徐々にズレる

自律神経の働きが不調になると、生活リズムも狂っていきます。朝は全く動けず、昼過ぎにようやくエンジンがかかりはじめ、夜に覚醒のピークを迎えます。

本来なら寝る時間に意識が覚醒しきっているので、夜は寝たくても寝れず、朝は起きたくても起きれない状態になってしまい、学校も遅刻や欠席が多くなります。

私も経験があるのでわかりますが、夜は不眠症になったかのように、何をやっても眠れません。早く寝なさい!と言われても、寝れないものは寝れないので売り言葉に買い言葉で親子の衝突が絶えず、興奮して余計に寝れなくなる悪循環です。

〔詳細〕→ 起立性調節障害で夜寝れない!夜更かししがちな夜の過ごし方

起立性調節障害が中学生などの思春期に多い原因…背景には精神的なストレス

By: stockphotos.io

じゃあ起立性調節障害の原因となっている自律神経って何が原因で狂うのか?っていうと、ここでようやくストレスが出てきます。

自律神経は精神状態や心理的なストレスによって、働きが低下します。起立性調節障害も精神面なストレスが大きく関わる心身症とも言われているので、精神面の安定を図らない限り、症状も安定しません。

起立性調節障害は思春期に特有の病気ですが、なぜ思春期の子どもばかりに起こるのか、どんなストレスが原因となっているのかを整理していみます。

自律神経を狂わす中高生に特有のストレスってどんなの?

自分が思春期だった頃を思い出しながら読んで欲しいのですが、中高生の年代って他人の目がどうしても気になる年代で、意外と人間関係も面倒です。

この年代は「自我に芽生え」と言って、周囲と自分との区別、周囲から独立した自分という存在の認識、自分の意志と周囲との協調、周囲からの評価や目など色々なことを気にし始めます。

例えば、教室で他の友達たちが大笑いしているのを聞いて「もしかして自分のことを笑っているのではないか」と不安になったり、授業でも部活でも、学校生活の中ではみんなの前で失敗したり、恥をかく経験は誰にでもありますが、やっぱりこの年代は必要以上にこういうことを嫌います。

しかも中高生っていう年代は友達同士でも結構冗談が結構キツいし、スクールカーストなどクラス内の暗黙の人間関係、部活の上下関係とか、色々ありますよね。

中高生での人間関係は思い返してみると、あなたも結構面倒くさかったはず

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女子中高生は友人関係がとても難しいし、男子生徒であっても喧嘩が強い子が頂点に立ったり、狭い学校生活の中では力の強い人間が影響力を持つ極端な人間関係が形成されることってあったと思います。

大人になった今では忘れていても、当時は色んな事に気を使いながら学校生活を送っていた人も多いはずです。起立性調節障害の子供は空気を読み過ぎる子供が多いので、親が気づいていなくても、他人の目を相当に気にしながら過ごしているはずです。

→ 中学生の不登校原因は友達関係が多い

特に中学生だと、今までなかった先輩後輩関係に、夜遅くまで厳しい部活。学校行事に勉強のプレッシャー、朝から学校に行って部活をしてクタクタになって家に帰ってから忙しく晩御飯を食べてまた塾に行く。帰ったら夜食を食べて学校の宿題、塾の宿題もこなす。

中学生は大人でも音を上げたくなるような殺人的なスケジュールをこなす子供も多いので、こういった生活の中でストレス無く過ごすのは不可能に近いです。

起立性調節障害は怠けと誤解されがち…親との衝突で症状を悪化させることも

起立性調節障害は夜眠れず、朝起きれないという症状が出るせいか怠けとも勘違いされがちです。夜更かしばかりする子どもにイライラして、つい口を出して子どもと衝突することがあるかと思いますが、これも起立性調節障害の症状を悪化させるストレスの1つです。

起立性調節障害を治すには身体的な改善だけでなく、精神面の安定も必要不可欠ですから、できるだけ親も子供を受け入れ、決して怠けではない病気だと理解し、辛い症状を理解する努力が必要です。

急激な身体の成長と変化も自律神経に影響を及ぼす

精神的なストレスではなく、肉体的なストレスも見逃せません。思春期は成長期とも重なりますから、短期間で一気に身体が成長・変化します。

身長が短期間で数センチ伸びることもあるし、女性であれば初潮も迎えます。私の時は中学1年生~2年生の時の成長痛にえらく悩まされました。

こんな風に身体的な急激な変化が起きれば、身体には負担がかかるのが当たり前だし、体と心のバランスが崩れて色んな影響が出るのが普通です。

しかも自律神経は全身に行き渡っていますが、この急激な体の変化に神経の調整が間に合わないのが原因で自律神経に影響が出るとも言われています。

思春期や成長期の子どもはこういった身体的、精神的ストレスに日々晒されながら生活しているので、こういったことを全部ふまえての「思春期のストレス」なんです。

まとめ

起立性調節障害の症状の原因は自律神経の不調です。自律神経の不調は精神的、肉体的なストレスに起因していて、特に心理的なストレスが強い場合は起立性調節障害の症状も進行してしまうことが多いです。

この記事では代表的な原因をわかりやすく書きましたが、本当は起立性調節障害の原因ってめちゃくちゃ複雑で、本当に色んな要素が複雑に絡み合っています。

それらに関係してくる原因を「精神的なストレス」と呼んでいるのですが、思春期の子どもたちは日常生活の中で様々なストレスに耐えながら生活していて、その結果、起立性調節障害になってしまい、その症状と戦っているということを理解してほしいと思います。

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