起立性調節障害に必要な学校での対応と説明【診断書の提出も】

起立性調節障害は怠けと誤解されやすいため、学校でも「気持ちの問題」「起立性調節障害は病気ではない」と考える先生は珍しくありません。

学校からの適切な理解がなければ起立性調節障害を治すことは難しいです。

そのため、保護者は学校側に起立性調節障害のことを説明をし、正しく理解してもらえるようしっかりとした働きかけをしなければなりません。

学校や担任に理解を求める際に、どのような事項を、どのように説明するか。それらについてまとめました。

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起立性調節障害に対する誤解をとき、学校側に正しい理解と対応を積極的に求める

職員室

実は起立性調節障害という病名を知っている教師の割合は、2010年時点で全体の4割しかいませんでした。その後、起立性調節障害の知名度は上がってきましたが、起立性調節障害という病気を正しい知識とともに把握し、適切な対応を取れる教師は現在も非常に少ないのが今の学校現場です。

授業中に立ちくらみや吐き気を訴えてもそのまま授業を受けたせたり、体育の授業の見学を許さなかったり、生徒に対して根性論で対処しようとする場合もあり、起立性調節障害の子供に対して間違った対応を取ってしまうことがあります。

そのため、学校側、特に担任の先生に対し「起立性調節障害は怠けではなく身体的な病気であるため、根性での解決は絶対に出来ない。病気の治療をすすめ、症状の増悪を防ぐためには専門知識を伴った適切な対応が必要である」ということを伝えなければいけません。

学校側に起立性調節障害の理解を求めるのは治療の一環

学校側に理解を求める時は、主治医に相談してみるとアドバイスが貰えるはずです。

なぜなら起立性調節障害の治療手順には「学校への指導や連携」が含まれているので、医師もある程度のノウハウがあるからです。

〔参考〕 病院で実施される起立性調節障害の治療方法

最近よく聞くのは、「改訂 起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応」などの起立性調節障害の専門書や「起立性調節障害 Support Group」などの公的な医療機関のウェブサイトの資料を提出するなどして、間接的に理解を求める方法です。

起立性調節障害に必要な対応、ケアを間接的に伝えられる

起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応の医師向け、学校関係者向け、保護者向けの内容の目次

先程の「改訂 起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応」の中には、上の画像のように学校関係者に向けて書かれた部分が多くあります。

学校生活の中で起立性調節障害の子供に必要な対応が一覧で掲載されていたり、保護者に対してどのように接するとよいかを専門医の立場で書かれていますので、提出するのはこういった書籍の方が良いでしょう。

例えば「第5章 周囲のサポートが子供を救う」「学校にして欲しい具体的なサポート」にはP118から具体的に列挙されています。

起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応の「学校にしてほしいぐたサポート」のページ

症状が出た時の対処法をはじめ、運動に関する注意点、保護者との連絡のとり方、家庭訪問時の注意点など、内容は実に様々です。

どの程度の症状がどういう時に出やすく、どうすればそれを避けられるかなど、理解しておいてもらうだけで意味がある内容が多く並んでいます。

1から10まで保護者が事細かく説明するのは負担が大きく、自分の口から言いにくいこともあるでしょう。しかし、このような専門家の意見を借りて間接的に伝えることで相手も理解してくれやすく、病気に対しての正しい理解も得られやすいのではないかと思います。

もちろん、相手がその資料を読んでくれて、その内容を支持してくれれば、の話ですが…。

担任や学校の理解が得られない場合は起立性調節障害の診断書を提出する

問診票と聴診器と筆記用具

しかしながら、何度親が言っても担任の理解が得られず、不適切な対応ばかり取られてしまうこともあります。

子供がそのせいでストレスと溜め込み、症状は増悪、余計に学校から足が遠のく、それを見てさらに先生がキツく出る、親がイライラを募らせて対立してしまう…悪循環です。

そのような自体を避けるために、診断書を提出する方法もあります。医療現場では診断書をお手紙と称し、”お手紙療法”とも呼ばれています。

診断書は主治医が病名、重症度、学校で求められる適切な対応策、学校関係者に求められる理解、招きがちな誤解などを記してくれるので、それを学校に提出します。

保護者が言うよりも医師の言葉を聞くほうが説得力がありますし、数値による明らかな異常がわかる検査結果の資料なども提出すれば、文句も言いにいでしょう。

医療機関によっては、先生に起立性調節障害を正しく理解してもらうために病院まで来てもらい、主治医から説明を受けてもらう対応をとることもありますから、信頼できる主治医を見つけ、相談できる環境を作っておくと良いです。

起立性調節障害で学校に行けない日が多いなら、欠席連絡も変更を

起立性調節障害で子どもが学校に行けなくなってくると、家庭の雰囲気も暗くなってきます。

保護者が毎日のように「今日も行けなかった」と落胆しながら、毎日電話で欠席の連絡を入れるのは、さすがに負担が大きすぎます。

そのため、子供が欠席をする時に電話連絡を入れるのではなく、学校に行ける時だけ電話連絡を入れるというやり方に変えられないか、担任に打診してみましょう。

あるいは、学校に行けたり行けなかったりを繰り返している状態なら、欠席の連絡は電話ではなくメールにするとか、少しでも負担を減らせられるよう、担任に申し出てみてください。

起立性調節障害のことをどこまで学校のクラスメートに説明するか

辞書が置かれた学校の教室の木製机

クラスメートや部活仲間などに起立性調節障害のことを説明するかどうか?これも難しい問題です。

子供本人がそれを望んでいるのか、保護者はそれに対してどう感じているか、主治医も含めてよく話し合い、最終的には子供の意思を尊重するのが良いかと思います。

起立性調節障害で学校生活に支障が出てくると、確かに冗談ぽく嫌味を言われることもありますし、時にガチの批判をされることもあります。また、自分のせいで周囲に迷惑をかけていることに自己嫌悪し、落ち込むこともあります。

最初は起立性調節障害だけだったのに、段々と人間関係など別の問題にすり替わってきてしまい、不登校といった2次障害を招きます。起立性調節障害に人間関係の悩みも重なると登校意欲も減退しますから、やはり不登校に繋がってしまいます。

このように起立性調節障害から別の大きな問題に繋がることが多々ありますので、子供本人の意思を尊重しながらも、クラスメートに説明をして理解を求めておく対応も時に必要になると理解しておきましょう。

起立性調節障害は親から理解されないのが辛いですが、学校の先生やクラスメートなど周囲の人に理解されないのもなかなかしんどいです。

〔参考〕

まとめ

起立性調節障害は心理的なストレスで簡単に増悪してしまいます。

起立性調節障害の治し方や朝の起こし方にはコツがあるのですが、いくらこういった工夫を行っても、精神的なダメージが大きければ症状は一向に改善しません。

学校では親の目に見えない様々なストレスがあるので、保護者としては精一杯学校側に働きかけを行い、時に闘うぐらいの意識でいて欲しいと思います。

〔参考〕


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