起立性調節障害が朝に眠気が起きて夜寝れない原因

起立性調節障害という病気はまだまだ一般への浸透度が低い病気です。

起立性調節障害は血圧や自律神経の異常がみられる立派な病気であり身体疾患です。

起立性調節障害になるとなぜ朝起きれなくなるのか?なぜめまいや立ちくらみが起き、身体のなかでどんな異常が起きているのかをわかりやすく説明していきます。

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起立性調節障害で朝に眠気が来て夜寝れなくなる原因はこうだった

起立性調節障害の症状と原因を理解するために必要な身体の基礎知識

起立性調節障害を正確に理解するため、身体の基本的な機能から説明します。

人間の体には大量の血液が全身に流れています。その血液を循環させる大きな役割を担っているのが心臓です。

心臓がドクドクと脈を打つことで心臓の中にある血液をポンプのように押し出し、血管の中に血液の流れを作って体中に循環させます。

この心臓が血液を押し出す力のことを血圧と言います。

起立性調節障害の「起立」は立ち上がるときの「起立」

身体を横にして眠っている時、心臓と脳みそは同じ高さにあります。体を起こして直立すると、重力の関係から脳など体の上部にあった血液は下半身に降りてきます。

健康な人でもこの血液が下降する状態になりますが、すぐに正常に戻ります。

なぜなら、人間の体には自律神経というものがって、すべての血液が下半身に降りないように独自に調整する機能(自律神経)が備わっているからです。

その自律神経の働きにより、一時的に脳内にある血液は減少しますが、すぐに自立神経が働き、血圧を強めて血流は確保→脳内の血液量を回復するのが健康な人です。

起立性調節障害の「調節」は起立した時の体内機能の調節のこと

しかし、起立性調節障害の人はこの自律神経の働きが十分に働かない為、立ち上がってから正常に回復するまで非常に時間がかかります。

症状が重い朝では、正常のレベルまで戻らないままです。

この起立した時に働くべき自律神経の異常で、通常行われるべき体内調整に障害が起きています。

これがその名の通り、起立性調節障害です。

ところで、自律神経ってなに?

さきほど自律神経の働きについて言及しました。この自律神経についてもう少し詳しく解説します。

自律神経には交感神経と副交感神経の2つの役割があります。

交感神経は人間でいうと外出時や仕事をしている時、勉強をしている時などに優位になり、俗にいう「緊張や覚醒」の神経です。

もうひとつの副交感神経は夜眠るときやくつろいでいる時に優位に働く「リラックス」の神経。

野生動物でも同じ神経があって、例えば肉食動物であれば狩りをするとき、外敵に晒されている時、身の危険にさらされている時は「緊張や覚醒の交感神経」が働きます。

逆に、獲物を食べ終えて満腹になったとき、昼寝をしている時、あくびをしている時には「リラックスの副交感神経」が働きます。ライオンなんかを想像すると分かりやすいですね。

起立性調節障害は自律神経の働きがうまく作用しない

起立性調節障害の人はこの自律神経がうまく働きません。

そのため、交感神経と副交感神経が入れ替わり、本来行われるべき機能が必要な時に働かない障害が出ています。

さきほどの起立時の血液循環のことでいうと、本来人間が寝ている状態から立ち上がれば、緊張と覚醒の交感神経が優位に働きます。

しかし起立性調節障害の人は交感神経が思うように働かない為、正常な血液循環が行えません。

朝に症状が重いのは、本来働くべき「覚醒と緊張の交感神経」が一向に働かないため、起立するどころか全く起きれないのです。

起立試験で血圧の変化を測定すると異常が明らかになる

これを起立試験という体系化された測定検査を行い起立直後の血圧の変化を数値化して、起立性調節障害かどうかを見極めます。

起立性調節障害の子は起立直後に血圧が著しく低下し、通常の数値に戻るまで時間がかかります。

また、朝と夜とで別に検査をすると夜は問題なくても朝の検査結果には明らかな異常が見つかるという訳です。

起立性調節障害の軽症か重症かの判断

グラフ資料

先ほど述べた起立試験での血圧変化を見た時に、軽症の場合は時間がかかっても最終的には通常の数値に戻ります。

つまり、起立直後に血圧の低下が見られ、さらに一般の人に比べて通常の数値に戻るまでに時間がかかっていても、最終的に通常の血圧に戻る場合は軽症になります。

一方、重症の場合は低い血圧が戻ることなくその状態のままです。

つまり、戻るべき血圧が戻らないままなので、症状も必然的に重くなります。

さらに血圧の低下の度合い、元々の血圧からどの程度低下したかの割合も考慮されます。

もちろん、低下幅が大きければ大きいほど重症で、低ければ低いほど軽症です。

朝眠気が起きて夜寝れないのは自律神経の不調が原因

起立性調節障害の子供は夜布団に入ってもなかなか眠れないと訴えます。

親は早く眠れば朝早く起きれると信じて疑いませんが、いくら早い時間に布団に入っても自律神経の異常から意識が覚醒してしまい、全く眠気が起きません。

起立性調節障害の子供は夜に(緊張と覚醒の)交感神経が優位に働きます。

そのため、いくら早く寝ないといけないと思っていても体は完全に覚醒していますから眠気は一向に出てこず、ズルズルと寝る時間が遅れていきます。

これは本人の意識の問題でも、努力の問題でも、怠けの問題でもありません。

子供の脳が本人意思にかかわらず体を覚醒させるよう指示しているのですから、本人がいくら頑張っても自律神経が上手に入れ替わらない限り眠れません。

→ 起立性調節障害にある4つの症状タイプ

日中でも急に立ち上がったり長時間立っていると立ちくらみが起こる

起立性調節障害の子供は起立直後だけでなく、長時間立っていると立ちくらみや眩暈を起こします。

階段を急いで登った時、ちょっと急いで走った時でも息切れします。これはたとえ運動部で日ごろ運動をしていても起きます。(経験談)

最悪の場合、その場に倒れてしまうこともあります。原因は先ほど説明した通り、血液の循環が思うように脳みそまで届いていないので、頭の中で酸素不足が生じているからです。

特に朝の朝礼で眩暈を起こすことがあるので要注意。

また、朝起きることが出来ても学校が遠く歩く距離が長かったり、通学の際に満員電車で長時間立っていたりすると、疲労はどんどん蓄積されていきます。

こういったことを本人は頑張ってこなしているのですが、体内は上手く対応できていないので知らず知らずのうちに疲労をため込んで体に残ってしまいます。

→ 起立性調節障害はいつ治るのか?どれぐらいで完治するのか

これを聞いてもまだ子供は怠けていると言うか?

自分の子供が単なる怠けで根性なしだと思っている人は、起立性調節障害で子供の体内で何が起きているか理解できたと思います。

子供は決して好き好んで怠けている訳ではありません。

By: w00kie

By: w00kie

子供の体の中にはこういった以上が起きて症状が出ているのですが、この苦しみを家族や親にすらわかってもらえないのはとても苦しいです。

私も経験があるのでわかりますが、自分の意思では上手にコントロールできない身体のことを一向に理解知れないばかりか、人間性や人格すら否定するような叱責を受け続けるのが、子供にとってどれだけ苦しいかを親にはわかってほしいと思います。

自律神経の異常を根性だけで乗り切れる方法があるのなら、人類は皆苦しみません。

その異常を根性だけで100%解決できる方法を確立させたのなら、それこそあなたはノーベル賞を貰えるかもしれません。

気持ちや怠けの問題だと言うのはそれだけ無茶な要求をしているということを理解してください。


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