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小中学生向け:不登校になったら最初に読む本の感想

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フリースクール元気学園の校長先生が著した本、「不登校になったら最初に読む本~親と先生と子どものための再出発へのヒント~」を読みました。

元気学園というのは全寮制のフリースクールで、数々の不登校生徒たちを支援し、引きこもりで苦しんでいた青少年たちを数多く社会復帰へ導いてきました。

この本の著者は脳科学分野の出身で、健康や体力的な所に注目した科学的アプローチも得意としています。堅苦しい内容ではないので、不登校について詳しく知りたいという人にはとても良いと思います。

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「不登校になったら最初に読む本」の内容と感想の概要


この本の内容は具体的な事例よりも、非常に抽象的な理論や概要が中心です。人によっては屁理屈をこねているだけのように思うかもしれませんが、冷静に読み進めてみると意外と思い当たる節も多いと思います。

この本はタイトルが示す通り、子供が不登校になってしまった初期段階で葛藤する親が対象を対象に書かれた本です。

不登校の初期段階では、目の前の現実に混乱し、1日でも早く学校へ戻す方法や裏技ばかり考えがちですが、そういう方法は一切書かれていません。

そうか、そうだったのか!と目の前が一気に明るくなるような本ではないけれど、まずは不登校になる子供の状態を正確に理解し、不登校とはどういうものなのかを頭で理解し、それを受け入れるために書かれた本です。

 

この本の対象とおすすめできる人

全体的に、不登校に対する理解が全く進んでおらず自分の子供が何に悩んでいて、何を考えているのかさっぱりわからない、という人が最初に手に取る本としては最適だと思います。

対象となる不登校は高校生でもいいと思いますが、どちらかというと小中学生向け、特に中学生です。

具体例が多くないので広く浅くの感は否めませんが、不登校を上から俯瞰して捉えるために必要なことが網羅されています。不登校の周囲にどんな問題が絡んでくるのかを理解しやすいですね。

 

本を読んでどういう変化が期待できるか

不登校の初期段階では家庭内に強い混乱が起きて精神的にも体力的にも、相当疲弊すると思います。

不登校を認められない母親に多いのですが、子供のために学校に行かせるのではなく、自分が楽になりたいから学校へ行かせようとしていることに気づいていない人がとても多いです。

まずは目の前にいる自分の子供と真剣に向き合うという当たり前のことの重要性に気が付くと思います。

今までは力づくや強引な方法をとってきて親子ともども精根尽き果てそうな状態なら、まずは心を落ち着えましょう。

自分の子供に今何が起きているのかを冷静に把握するために、この本はとても役立つと思います。

 

本の大まかな内容と目次紹介

目次構成は以下の通り。

  • 第一章 不登校はイヤの壁
  • 第二章 不登校解決の鍵は、味方の力(父と母の力を発揮しよう)
  • 第三章 不登校の原因をさまざまな角度から見てみよう
  • 第四章 不登校解決のファーストステップ
  • 第五章 不登校を家族で乗り越えていくために
  • 第六章 不登校を科学的アプローチで解決する

 

内容は全6章で構成されていますが、主に不登校についての内容が第五章までに纏められていて、自身が運営するフリースクールでの活動については第六章で書かれています。

最後の方はフリースクールの宣伝のような内容にもなっていますが、生活リズムを更生させる重要性や年齢に関するデリケートな部分もしっかり書かれているので参考になるところは多いかなと思います。

最初の方ほど理論的で抽象的ですが、後半になるにつれて少しずつ具体的な内容になっていきます。

 

この本の不登校に対するスタンス

他の不登校支援の本と違う所は、見守ることは大事でも年齢を意識して出来るだけ早い解決を実現させるべき、という現実的な意見が示されているところでしょうか。

不登校に始まり、昼夜逆転の引きこもりは多くの人に共通する現象ですが、その期間が長くなればなるほど解決が難しくなり、十代の貴重な学びの期間を逃すべきではないという意見も納得できます。

 

この本の解決を導く方向性

不登校の解決は様々な形や方向性、主義があって、どれが正解でどれが不正解というものでもないと思います。子供によっても親によっても当然、向き不向きがあります。

この本の不登校解決のスタンスは、今ある社会システムに順応させることを想定した社会復帰です。

 

そして不登校の原因は体力、学力、コミュニケーション能力のいずれかに不足があるからであり、他に優れたところがあっても不足部分を補えなければ解決は難しいというのが大前提。

さらに体力的にも精神的にも大きく成長する貴重な十代は二度と戻ってこない為、それを逃すと性格や問題も修正が難しくなる。

そのために、全寮制というフリースクールの環境で子供たちに接し、社会に順応できるよう導いていくというのが解決スタンス。

 

個性をひたすら伸ばして解決に導くという方法も…

余談ですが、社会に迎合するよりは自身の個性や長所をひたすらに伸ばして自己肯定感を取りどし、社会へ復帰していく解決手法もたまに見ます。

個人的にはこっちの考えの方が好きで、自分に性格に合っているのですが、人によって合う合わないがはっきりする方法かなぁと思います。

 

不登校についてもう少し具体的な内容が知りたい方は別の本を

不登校になったら最初に読む本~親と先生と子どものための再出発へのヒント~
不登校で苦しんでいる人が最初に読む本としては最適ですが、もう少し具体的な内容がほしい人は「不登校でも子は育つ」がいいと思います。

不登校解決に向けた段階の推移、不登校の子供を持つ親たちがどういう風にそれを乗り越えてきたのか、どんなことに困ったかなどかなり具体性の高い内容です。

不登校だった子供たち自身の声も収録されていますし、何より不登校経験のある私が読んでも納得できる部分がすごく多いですし、そういやそうだったと思い出すことがとても多かったです。

概要と解決までの道のりを理解したい人は「不登校になったら最初に読む本」と「不登校でも子は育つ」は2冊セットで手元に置いて、何かあったら読み返すような使い方も良いと思います。

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