文部科学省の調査統計の原因分類5パターンについて

「不登校の人数分だけ原因がある」という言葉があります。これは本当にその通りで、不登校になった原因と言ってもその背景は本当に様々です。人数の分だけ原因があり、その背景もきっかけも、解決までの道筋も一人ひとり違います。

ただ、そうはいってもやはり「傾向」というものはあります。共通点が似通っている部分も確かに存在します。

調査ではパターン化して分類するためにやや強引な書き方になることも多いのですが、文部科学省でもこういった原因に関する調査結果を公表していますので、ご紹介します。

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文部科学省が公表した不登校の原因の統計5つ

英字新聞のグラフ

文部科学省によると、不登校児童生徒に関する実態調査の中で原因について5つのパターンを示しています。

無気力型:何事にも意欲を見せず、学校に行かないことに対してもあまり罪悪感を感じず、心の葛藤も少ないタイプです。「めんどくさい、だるい、うざい」や「学校っておもしろくないし、つまらないし、行かなくていいでしょ」など意欲がなく無気力な子供が該当します。

遊び・非行型いわゆる不良が該当します。不登校というイメージとはかけ離れてしますが、一応不登校の定義に合致しているためこのような分類がなされています。

人間関係型学校内において友人、先輩後輩、あるいは教師などの人間関係の躓きがきっかけになっているパターン。5つのパターンの中では最も多いのではないかと思います。

複合型原因が一つではなく、様々な要因が絡み合い、どれかひとつの原因とは言い切れない場合の分類です。人間関係の躓きもあれば、病気やけがを理由に学校を休み始めたり、家庭環境が絡んでいたり、原因は様々。

その他上記4つ以外の原因で不登校になったパターン。

「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)より

ここでは不登校の原因という表現ではなく、「不登校状態を継続している理由」として紹介されています。そのため、きっかけになった原因ではなく、不登校状態を続けてしまっている原因であることに留意してください。

1997年度に公表された不登校の原因統計とは変化している

実はこの不登校の原因になる5パターンは過去に文部科学省が公表していたものから変化があります。1997年、当時の文部省が公表した「登校拒否問題への取り組みについて」で発表された不登校の原因とは、分類の仕方と表現が微妙に異なります。その詳細が以下のようになっています。

  1. 学校生活に起因する型
  2. 遊び・非行型
  3. 無気力型
  4. 不安など情緒的混乱の型
  5. 意図的な拒否型
  6. 複合型
  7. その他

公的機関の公式文書なので、言葉遣いの微妙なニュアンスの違いが複雑です…。まぁ、1997年当時とはその分類が異なってきているというのだけがポイントです。

ちなみに当時の割合でいいますと中学生で多い順に「無気力>情緒的混乱>複合」となっており、小学生では情緒的混乱が最も多く、次いで複合>無気力となっています。

調査時期がかなり古いことも考慮すべきですが、当時は人間関係が原因で不登校になったタイプが少なかったというのが注目ポイントかなぁ。

文部科学省が示す不登校の原因統計は不完全

学校の教室

先に挙げた文部科学省の分類は「結構強引」です。

文部科学省による不登校の原因は一つの考え方ではありますが、それがすべてを表しているとは言えません。むしろ、実態をつかみ切れていないのは明白。

それは文部科学省も、教育現場にいる人たちもこの調査結果が「多少無理がある」ことを薄々感じているのではないでしょうか。

そもそも原因がいまいちよく分からないというタイプも多いので、そもそも「不登校の原因を完全に分類するのは困難」だと私は思います。

不登校のが分からなくたって構わない

change your life

原因がわからななければ解決しようがないじゃないか!と言われそうですが、私の経験上「原因は一つではいことが多く、ほとんどの場合様々な要素が複雑に絡み合って作用し、そしてあるとき学校に行けないという状態になる」というのが正確です。

もちろん、明確な理由がある場合もありますよ。でも決してそれだけではないってことです。

この不登校の原因については本当に色々なところで議論されていますし、本当に人によって意見がガラリと変わります。

どれが正解かを探し求めるよりは、ご自身のお子さんが「どういうきっかけで不登校になってしまったかよりも、これからどういう対応をすべきか、子供の将来と子供自身の幸せのためにどうするかを考えた方が得策」だと私は思います。


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