子供が不登校になったとき、「学校に行かなくてもいい」と言うことが大切だという意見は、不登校の子供の親なら一度は聞いたことがあるでしょう。
個人的な不登校の体験を振り返ってみても、親が学校に行かなくていいというのはやはり重要です。それに、それを心の底からちゃんと言い切れるかどうかがもっと大切です。なぜでしょうか?
親が不登校の子供に「学校に行かなくてもいい」という正当性
私が思う、親が学校に行かなくてもいいと言うべき理由は、以下の4点です。
- 学校へ行くように急かすよりも、まずは子供の心の平穏を取り戻すべき
- 子供は学校に行かないといけないことは百も承知
- 子供の心身の健康を取り戻す方が、結局不登校の解決が早くなる
- はっきり言って逆効果
これらの理由から、親は思い切って「学校にかなくてもいい」と子供に言うべきです。それに、子供は学校には行くべきだと十分自覚しています。そんな苦しい状態で親が学校へ行くように急かしても、残念ながら効果は一向に出てきません。
家では元気なんだから学校ぐらい行けるでしょ、と思っているのであればまだまだ子供の心の叫びを理解していない証拠です。
優先順位は「子供の心身の健康>学校に行くこと」
今子供が置かれている現状を目にして、何よりも優先すべきは「学校に行くことだ」と思っていませんか。もしそうであれば、残念ながらあなたは不登校への理解が遅れていると言えます。
子供が学校に行けない原因は「心身共にエネルギーを使い果たしているから」です。つまり、元気の源(ガソリン)がないから、学校に行けない(エンジンがかからない)。私の経験を振り返ってみても、エネルギーが枯渇している時にいくら学校へ行くように急かしても全く効果は出ないと思います。
今最も優先すべきは子供の心身の充実と健康を1日でも早く取り戻すことです。そのために、学校に行かないという選択を与えるということが大事ですよ、となります。
不登校解決までの順番は元気→学校復帰
不登校の解決や克服事例、個人的な克服体験を考慮すると、やはり優先順位は同じです。そもそも不登校解決に至る順番は「心身の健康→学校へ行く」です。逆は絶対にありえません。
決して「学校へ行く→心身の健康」では絶対にありません。これは100%言い切れます。この事実を考慮すると、結局学校に行くことを急かさない方が解決が早くなります。
学校に行きなさいという言葉は子供を追い詰めるという事実を知ろう
子供は、自分が学校へ行かなければいけないことを充分承知しています。なぜなら、それを誰よりも理解しているからこそ、子供はあんなに悩んでいるからです。親がいくらキツイ言葉を投げかけたところで、それは子供を追い詰めるだけなんですよね。
厳しい言葉を投げかけ続けられると、自分は親にとって大切な存在ではないと自己否定します。学校に行きなさいの一辺倒では、残念ながら子供の苦しみを増幅させるだけです。子供のためを思ってよかれと思ってやっていることが、子供の心にどう響いているか冷静に考えてみましょう。
私が学校に行けず苦しんでいた時、やっぱり「みんなが普通にやれていることが出来ないのは自分のせい。学校に行けないのは自分が悪いから」と思っていました。その状況の中で、心身の健康を取り戻すのは難しい上、親に追い打ちをかけられたらたまったものではありません。解決できるものも出来なくなってしまいます。
行かなくていいんでしょ?と子供が開き直ってしまったら
では親が「学校に行かなくてもいい」と伝えたら、子供が「行かなくていいんだ」と開き直ってしまった。そうなったら、本当にこれでいいのでしょうか?
開き直っていいんです。思いっきり、休ませてあげてください。なぜなら、学校に戻るためには、元気を取り戻すことが先決だからです。そして、学校に復帰するにはこの過程は避けて通れないからです。
それに、行くか行かないかは本人に決めさせてその意思を尊重するのもいいと思います。子供は親が「学校に行かなくてもいい」と言っていても、子供は「本当は学校に行ってほしいと思っているくせに」とズバリ見抜いています。だからこそ、親が本気で「行かなくていいよ」と言い切れる勇気が大事です。
結論=「学校に行かなくてもいい」と子供に言い切れる勇気は必要
本当に子供のためを思うのなら、行かなくてもいいと言う勇気も必要です。色々な意見がありますし、この意見が絶対に正しいとも思いません。ただ、私は経験者の立場から大事だと思うことをそのまま述べました。
私の経験上、まず子供の心と体の元気を取り戻すことが何よりも大事だと感じています。まずはこれがないと、解決へ向かうことは難しい。優先順位を今一度冷静に、子供にかける言葉を考えてみてください。