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不登校の理由がめんどくさい…怠け者と怒る前に確認を

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なんで学校に行けないのか、行かないのかを子供に聞くと、「めんどくさいから」という答えが返ってくることがあります。

え?めんどくさい?それで学校に行かないとか、舐めてるの!?と一瞬怒りが湧き上がってくると思いますが、ちょっと待ってください。

めんどくさいから学校に行かないというのは、単なる怠けものと決めつけがちですが、案外そうでもないケースが実は多いからです。

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不登校の理由が「めんどくさい」で怠け者だと決めつけるのは早い

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この記事で一番伝えたいことは、「口ではめんどくさいから学校に行きたくないと言っていても、それは本当の理由ではないこともある」ということ、「何もかもめんどくさい、やる気が起きない状態は、精神的にかなり疲弊している証拠」であるということです。

「めんどくさい」という言葉ひとつで解釈すると単なる怠けものになるのですが、その言葉の根底にあるのは、結局ストレスです。

 

めんどくさいという言葉が意味する学校生活のストレス

学校に行くのがめんどくさいというのは、もう少し噛み砕いていうと「学校生活にある色んなストレスに耐えることが辛い」という意味です。その辛い感情すべてを形容して「学校に行くのがめんどくさい」になっています。

「単なる屁理屈だろ」と聞こえてきそうですが、子供は子供なりに苦しんでいるのにそれを怠けだと決めつけて叱責するより、今の現状を正確に把握して子供に寄り添い、子供の心に平穏を取り戻すことの方が大切です。

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学校生活が辛くても乗り越えることが出来ないのは、精神的に未熟だとか弱いだけが理由ではありません。ストレスに耐えるだけの目的(前向きな気持ち)が学校に見出せないからです。

乗り越えた先にあるものが自分とって価値あるものという認識が持てないので、ストレスに晒され続けるのが辛く、それに耐える理由もわからない。

自分なりに試行錯誤してきたけれど、既にこれまでストレスに耐え続けてきて結局限界に達してしまったのだと思います。

 

学校に行くのがめんどくさいという言葉の裏にあるもの

前置きが長くなりましたが、要は「学校に行くのがめんどくさい」というのは単なる怠けだけではなくて、こういう裏の事情があるんです。

  • 学校生活の中に子供にとって強烈なストレスが存在すること
  • そのストレスに耐え続けてきたが、既に限界であること
  • 自己防衛本能が働いてそのストレスを回避しようとしていること
  • そのストレスを乗り越えるべき意義が自分の中で見いだせない

大抵、めんどくさいという理由で学校に行かない子供は、自分のことを「確かに甘えていると思う」と認めます。それに、このままじゃいけないということも、自分がクズだ自分を責めています。

自分で自分を責めて、「やらなきゃいけない」と思っていても身体が思うように動かず失敗し、さらに自信を失って自分を責める…という悪循環。

「やらなきゃいけないってわかってるんだったらやれよ」というツッコミはもっともですが、行動を起こすエネルギーを使い果たしてしまい、少し溜まったら行動に移してまた使い果たす…この繰り返しです。

 

不登校は怠けかどうかを判断する一つの材料

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不登校は初期に身体症状を訴える子供が非常に多いため、以前にもそれが仮病だ、いや仮病じゃないなど、不登校は怠けかどうかが専門家の間でも激しいバトルになったことがあります。

不登校の定義や変遷に関して書いたように、その時々で言葉の意味合いが異なっています。ここで紹介するのは1984年時にまとめられた「登校拒否と怠学の違い」についての表です。

「学校へ行く意味・休み意味」という書籍の中で紹介されていたもので、もともとの出典は岡田康伸氏の「登校拒否の意味」から引用したものです。

登校拒否怠学
身体症状頭痛
腹痛
夕方に回復
なし
生活リズム初期に寝坊
昼夜逆転
昼夜逆転
欠席の状態継続から完全欠席断続的
学業成績良い場合が多い一般に悪い
学習態度学習意欲あり学習意欲乏しく勉強嫌い
登校に対する態度登校したいが出来ない登校したくない
行動様式積極的
単独
依存的
消極的
グループ
反応の意味恐怖反応逃避反応
他の問題行動わがまま
甘え
攻撃的な行動
夜遊び
喫煙
非行行動
家庭の問題潜在顕在
父親の特徴真面目
優柔不断
放任
無関心
専横
横暴
母親の特徴過保護
過干渉
溺愛
放任
無責任

先ほども述べたように、1984年時とかなり古い時代の考察なので、ここで明記されている分類は確実ではありません。完璧ではないけれど、参考材料の一つとして紹介します。

分類項目や特徴を一つ一つ見ていくと、怠け者タイプ(いわゆる怠学)の特徴はしっかり捉えているので、それを基準に「自分の子供が怠けや甘えなのか」を判断するのは妥当だと思います。

怠け者タイプはどちらかというと、集団行動を好む非行に走りやすい生徒に多いため「学校に行きたいけど行けない」という不登校とは特徴が異なります。

口では「めんどくさい」と言っていても、怠学の特徴とはあまり一致していなければ、無闇に「怠け」と決めつけて激しい対応を取るのは合理的とは言えません。

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