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不登校の教室に入れない、教室が怖いの心理と対応

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教室が怖い、教室に入れないと子供が訴えたとき、親の取るべき対応はどのようなものでしょうか。

こういう親の対応に関する疑問を抱くと、つい「こうするといいですよ」という明確な答えを探してしまうと思います。しかし、どの子供にどの対応が必要かは、人それぞれで違います。

自分が取るべき対応の答えは、自分の目の前の子供から探さなければいけません。

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不登校の心理と対応:教室に入れない、怖いと子供が言い出したら

「教室が怖くて入れない」というのは、教室の中にある何らかの恐怖に怯えている、という状態ですよね。この状態から親はどういう対応を取ればいいか、という点が当記事のテーマです。

適切な対応を取るためには、子供の状態を正確に把握することから。そのために、必要になるのが以下の3点です。

  • 子供が抱いている教室内の恐怖は何かを把握する
  • そもそも子供が教室に入れるようになりたいと思っているのかを確認する
  • その意向に沿って対応を変えていく

 

※ただ、ここで紹介している対応は、あくまで理想的な対応なので、全員が全員これで上手くいくとは限りません。全員が全員、教室復帰に導く魔法の方法ではなく、あくまで対応策としての一つのモデルケースだということを認識してもらえるとありがたいです。

 

「教室が怖い」の恐怖対象が何かをまず把握する

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まず、子供が抱いている教室内の恐怖対象を把握します。当然ながら、教室の中にある恐怖の対象というのは、子供によって違いますよ。

いじめで傷つき、学校に行けなくなった場合はその「いじめをする相手」でしょうし、他にも「周囲の目」とか、何で学校を休んでいたの?と聞かれることに対する恐怖・不安かもしれません。

「周囲の目」とか「集団(教室)が作り出す空気、価値観」かもしれないし、「担任教師の厳しい指導」かもしれません。

周囲に乱暴な生徒がいて、自分に被害はないけどそれが許される空気感が苦手とか、教師の指導が厳しすぎて息苦しい、とか本当に色々です。

小学校1年生ぐらいの子供なら、「親と離れることによる不安」とか「困った時にどう対処すればいいのかわからない不安や恐怖」かもしれない。

教室が怖い、というのはこういう様々な恐怖対象のことを総まとめにして「怖い」という表現になっているので、周囲にいる大人(特に子供の親)はその恐怖対象が何か、をまずは理解したいところです。

 

子供の恐怖対象がどうしても分からないとき

何が怖いのか、何が嫌なのかを子供自身がハッキリ言わないと時があると思います。

恐怖対象や不安対象を把握できればそれに越したことはありませんが、それをどうしても把握できない事もあります。そもそも、何が怖いのか、何が嫌なのか子供自身もわかっていないことも十分あり得ます。

理由がない・原因がわからない不登校の正体

 

自分できちんと言わなんて甘えている!と厳しく言いたくなるかもしれませんが、ここはグっと我慢です。

子供の年齢にもよりますが、自分の心の声を客観的に分析して、相手に伝えられる能力を持った子供なんて、ほとんどいません。

恐怖対象を子供が話したがらない場合は、とりあえず置いておきます。

 

子供の意思を確認する

次に親がどういう対応を取るべきか、このポイントに話を進めます。

「教室に怖くて入れない」という状態で、そこからどうしたいのか、子供はどういう状態を望んでいるのか、を確認します。

そもそも子供は「教室に入れるようになることを望んでいない」かもしれませんし、「教室に入って過ごせるようになりたい」と思っているかもしれません。

子供自身がどういう状態に持って行きたいのか、これによって対応も変わります。

 

子供の意向を無視し親の意向だけで対応を進めても抵抗される

この辺りは「教室に入ってほしい」とか、「普通に学校に戻ってほしい」など親の意向も当然あります。

しかし、親や先生の意向だけで子供を教室に入れるようにいくら働きかけても、効果が必ず出ると限りません。

だって子供がそれを望んでいないのに、いくら働きかけをしても子供は抵抗するだけだからです。

 

どうすればいいか、子供も分からない

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子供に「どうしたい?」、「どうする?」と聞いても明確な答えが返ってこないこともあります。

子供の立場からすると、「どうする?って聞かれても、どうすればいいか自分でもわからないから困る」という感じ。「そんなの、こっちが聞きたいよ」ってな状態です。

そういう場合は、教室復帰を目指すには時期尚早と言えます。まだ落ち着いて自分の事を考えられる段階ではなく、そのエネルギーも溜まっていません。

もう少し子供の心を落ち着ける環境や時間を用意してあげて、自分の考えを整理してもらった方がいいかもしれません。

 

子供の意向はその時々で変化する

ちなみに、子供がどうしたいのかの意向はその都度変わります。

まだ子供の精神状態が混乱していて心の傷が深いときは、教室に入りたいと思っていなくても、時間の経過とともに「教室に入りたい」と意向が変わってくることだって普通にあります。

現時点で完璧を求める必要はありません。

いきなり教室復帰というのは難しいと思うので、まずは心を落ち着けてエネルギーを貯めることが必要なのか、それとも背中を押すことが大事なのか、子供の様子を見ながら対応は変えていけばいいでしょう。

 

パターン1:少しでも早く教室に入れるようになりたいけど、うまく行かない

ここからは事例別にみていきます。

子供が教室に入れるようになりたいと思っているけど、何らかの不安や恐怖でうまく行かない。子供自身は復帰したい意向を強く持っているんだけど、行けない状態です。

親の対応としては、まず子供が抱いている不安や恐怖対象を把握します。次に、子供が行動に移して上手く順応させるためには、その恐怖対象と取り除くか、乗り越えさせるかの2つの対応策があります。

 

恐怖対象を取り除く対応

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恐怖対象を取り除く、というのは出来る場合と出来ない場合があります。

特定の同級生や教師との関係が原因ならすぐに取り除くことはできませんが、新学期や新学年の変わり目で上手く取り除けるかもしれません。

同じ友人トラブルであっても、突発的なものが原因なら学校側と話し合い、当人同士の遺恨を取り除いてあげることが必要です。この辺の話し合いは教師の力量に左右される一面もありますが。

 

取り除くのが難しいなら、乗り越えさせる

次に、子供は教室復帰の意向を持っているが、恐怖対象を取り除くのが難しい場合。これは子供に乗り越えさせる対応を取ります。

誤解のないように言いますが、この「乗り越えさせる」とは今すぐに、という話ではありません。多少時間がかかっても、しばらく自宅で休んでエネルギーをため込んで、乗り越える方法も視野に入れていきます。

 

パターン2:教室復帰をそもそも望んでいない場合

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教室に入ることをそもそも望んでいない場合の対応策です。

今通っている学校に復帰することは考えていないけど、次の進路先(進学先)で上手くやれることを目指しているのなら、それに沿った対応をすればいいと思います。

教室に入れなくても、学習意欲が高い子も結構います。その場合は、志望校に入れるように勉強をしっかり行うこと、次の進学先で上手く順応できるよう別室登校を習慣づけるとか、適応指導教室やフリースクールを活用していく。

 

次の進路先は考えていないけど、教室復帰はしたくない

もう完全に「学校へ戻る意思がない、もしくはその見込みがない」場合は、学校以外の場所で居場所を見つけられるよう、対応していくといいと思います。

学校に行くことはそれなりに意味がありますが、何も学校に行けなくても他の場所でしっかり学んでいけばいい、と親が開き直ることも時に重要です。

フリースクール、適応指導教室、不登校の親の会など支援先はたくさんあるので、子供に合った環境を用意してあげて、そこで思う存分学んで貰う方向で対応を進めていく。

フリースクールはどんなところ?

適応指導教室とはどんな活動内容と目的・役割があるか?

不登校の親の会

 

当たり前のことを当たり前に

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「教室が怖くて入れない」という状態への対応で一つのモデルケースになるのは、やはり当たり前のことを当たり前に、ということが基準になります。

子供が教室に入れないということは、その原因や恐怖対象を把握する。そして、子供の意思や親の意向をすり合わせて、それを取り除くか乗り越えさせる。

もし教室復帰の意向がなくても、その先(あるいは別の場所)でやり直すことを目標にしているのなら、それに沿った対応を取っていく。

当然、子供の意思が見えない、子供の恐怖対象がわからないなどのイレギュラーはあるのが、不登校の難しい所です。

その場合は、子供の意思が定まるのを待つか、そのための材料を提示するか、恐怖対象がそもそもあるのか、本人もわかっていないのか、など別の対応策を練ることになります。

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