通信制高校は全日制高校のように毎日学校に通う必要もありませんし、単位取得までのハードルが低いのが特長です。
その反面、自分で学習計画を立てていかないと単位取得のための要件を満たすことが出来なくなるので、3年間で卒業できる人の割合が少なく、自主性が求められます。
一般的に、通信制高校に対して上記のような認識が広がっていると思いますが、もう少し踏み込んで通信制高校に通うメリットとデメリットについて紹介したいと思います。
通信制高校のメリット・デメリット
大まかに概要を述べておくと、通信制高校のメリットは自分好みに学校生活を選んで行ける自由さにあり、デメリットは自主性がないと卒業すら危うくなるという点です。
誰かに口うるさく注意されたり、厳しい校則がない分、自分でやるべきことをコツコツこなしていかないとどんどん周囲に遅れていってしまいます。
通信制高校のメリット1:自分のペースに合わせて学校生活をコントロールできる
通信制高校最大のメリットです。通信制高校は通学の負担、ペースを自分で選ぶことが出来ます。
通信制高校の授業出席、通学はスクーリングと呼ばれますが、そのスクーリングのペースは様々なコースが用意されていて、その中から自分で選ぶことが出来ます。
例えば、通信制高校は卒業までに74単位の取得が義務付けられていますが、毎年どれくらいの科目を履修するかを自分で決めることが可能。
そのため、通学のペースを落としたければ履修する科目数を減らせますし、今年度は履修科目を増やしたいなど、全日制高校のように横並びで全て決まりごとに従わなければいけないということはありません。
サポート校を併用すれば、週に1回、2回、あるいは全日制と同じように5回など自分に合った通学ペースを選択することも出来ます。
メリット2:自由な時間が出来る
通信制高校は通学の負担を減らすことが出来るので、その分空いた時間を他のことに費やすことが出来ます。
週に2回午前(あるいは午後)しかスクーリングがないのであれば、他の時間はアルバイトをしたり、サポート校で併設されている専門学校のような授業を受けてもOK。
ダンスやスポーツ、アニメや声優、芸能など特殊な専門領域の仕事を目指して授業を受けている人もいますし、バンド活動や部活などに精を出している人もいます。
あるいは、資格取得を目指して勉強している人、大学進学を目指して勉強している人、留学を目指して語学を勉強している人など様々。
通信制高校と他の学校という、ダブルスクールで充実した学校生活を送る例も少なくありませんし、働きながら自分で学費を稼ぐ人もいます。
通信制高校のデメリット1:自主性が求められる
時間が空くということは、その時間何をしてもいいということ。逆に言うと、その開いた時間にゲームや漫画など好きな事を過ごしてもいい訳です。
その自分の好きな事ばかりに時間を使ってしまい、やるべきことがなおざりになってレポート提出が滞り、単位を落としてしまう人も少なくありません。
自分で学習計画を立てて計画的に勉強やレポート、スクーリングをコツコツこなしていかないと卒業できないので、好きな事や楽しいことに流されやすいと3年での卒業が難しくなります。
また、卒業後の進路についても自分で決めなければいけません。大学へ行くか、専門学校へ行くか、あるいは就職か…。通信制高校の卒業後の進路調査では、進学も就職もしないフリーターやニートの方も多いようなので、その辺も含めて自主性が求められます。
結局は自分次第、その人次第になるのですが、案外こういった「流されてしまった」という人が多いのが通信制高校のデメリットです。
デメリット2:学力的に高い授業は期待できない
通信制高校は高校卒業資格を目指して入ってくる方が多く、一般的に学力レベルはそれほど高くありません。
大学進学を目指す場合は、自分で参考書や問題集を用意してきて自主学習をするか、予備校に通うか、あるいはサポート校に通うのが現実的です。
通信制高校の授業は大学進学のための授業ではないので、そのレベルだけではなかなか大学進学は難しいな、という事情があります。もちろん、どのレベルの大学へ進学するかにもよります。
誰でも入れるような大学であれば問題ないかもしれませんが、出来るだけレベルが高かったり、自分が勉強したい学部の大学へ進学したい人が多いでしょう。
通信制高校の特徴を生かすも殺すもその人次第
これを言ってしまうと元も子もないのですが、結局はその人次第です。その環境の中で何を学んで活かすのか、それとも何も考えずに殺してしまうのか、その人の気の持ちようで大きく変わります。
通信制高校そのものがダメ、良いという二元論ではなくて、その環境をどう生かすか。この視点を持つことが大事ですね。