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通信制高校を卒業後の進路統計【進学・就職率と業界傾向】

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通信制高校卒業後の進路はどのようなものが多いのか?平成28年度の文部科学省の学校基本調査をもとに、公立私立別でまとめました。

通信制高校を卒業後は大学進学、専門学校進学、就職、その他の4つが多く、公立と私立で少し傾向が異なります。

就職でもなく、進学でもない「その他」が最も多いというのが通信制高校の課題ではあるのですが、その点についてもこの記事で詳しく解説しました。

あくまで統計上の傾向を見る限りでは、卒業率を含め、卒業後の進路の決定率をみても、やはり私立の通信制高校の方が明らかに優勢です。

 

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公立、私立両方を含めた通信制高校全体の卒業後の進路先

統計・グラフ

まず公立・私立両方を含めた全体の進路統計をご紹介します。まず平成27年度の学校基本調査をもとにした結果概要がこちら。

データ元は「平成28年度学校基本調査・卒業後の状況調査・通信制」より引用。

  • 就職(19%)
  • 大学進学(17.5%)
  • 専門学校進学(20.7%)
  • その他(39.29%)

これ以外に、公共職業能力開発施設等入学者、死亡・不詳者などが少数あります。卒業者数は全体で51,429人です。

約9,000人が大学進学(短大を含む)、約1万人ちょっとが専門学校へ、約1万人に届かないぐらいが就職、約2万人がその他となっています。

その他が4割近くあるんで、ここが多いですね。就職でもなく、進学でもない、いわゆるフリーターやニートの属性です。この「その他」については記事の後半で詳しく解説します。

 

通信制高校の卒業後の進路は4年前とさほど変化なし

ちなみに、4年前の平成24年度の調査がこちら。

  • 就職(15.1%)
  • 大学進学(16.5%)
  • 専門学校進学(24%)
  • その他(42.5%)

4年前と比べて今は就職が増加、大学進学が微増、専門と減少、その他が微減といったところですが、まぁ大きくは変わっていません。

ちなみにその前年の平成23年度、平成22年度も大差はありませんでした。専門学校が減り、就職が増えたという減少はあるものの、誤差の範囲内かもしれません。

大まかな進路構成比はこれから紹介するものも含めて、毎年ほとんど似たようなものだと思って頂いて大丈夫です。

 

公立の通信制高校卒業後の進路先

続いて、平成28年度の公立に絞った通信制高校に限定した卒業後の進路を見てみます。

  • 就職(19.9%)
  • 大学進学(10.5%)
  • 専門学校進学(11.4%)
  • その他(55%)

進学が少なく、「その他」と「就職」が多い。特に「その他」は半数超え…。

4年前と比べても、就職が3.3%増、大学進学は0.5%増、専門学校は3%減、その他は0.9%減なので、今も4年前もほぼ同じ構成です。

「通信制高校は卒業が難しい」と聞いて不安になっている人へ」の記事でもデータを用いて紹介していますが、公立の通信制高校はそもそも卒業率が低いです。

その上、さらに卒業後の進路をみても「その他」が多いとなると、ちょっと躊躇しますね。

 

私立の通信制高校卒業後の進路先

次に、私立の通信制高校の卒業後の進路です。

  • 就職(18.8%)
  • 大学進学(18.8%)
  • 専門学校進学(22.5%)
  • その他(36.1%)

公立と比べて、「その他」の割合が少ない。

また、就職と大学進学が同数、専門学校がそれよりやや多いといったところ。4年前と比べると、就職が3.7%増、大学進学が0.7%増、専門が3.9%減、その他も2.5%減。

まぁほぼ毎年、同じような割合ですね。私立の通信制高校だと各学校の特色も様々だし、色んなコースもあるんだけど、全体で見ると専門学校進学が多くて、就職と大学進学がおなじぐらい。

でも「その他」がやっぱり一番多い…。

 

公立と私立を比べた時の通信制高校、卒業後の進路

◯と×を持つ女性

公立と私立を比べると、私立の方が進路決定率が高いです。

サポート体制が充実しているせいもあるでしょうし、「その他」の割合が公立に比べて少ないし、何より進学は私立が絶対優勢。

就職だと公立の方が優勢なんですけど、これは既に就職していて働きながら通信制高校に通っている人も含まれているかもしれません。

就職だと公立でもいいけど、進学希望なら私立を優先的に考えるべきだし、3年での卒業にこだわるなら、私立一択というところ。

 

    通信制高校からの就職先で多いのは製造業、サービス業

    工場地帯

    同じく学校基本調査によると、通信制高校を卒業した人の就職業界は製造業が頭一つ抜けて多く、全体の約19%を占めます。次いで「宿泊・飲食・サービス業」、「卸売・小売業(ショップ店員など)」、「建設業」となっていて、この4分野は毎年多いです。

    上位4分野に続くのが「生活関連・サービス業・娯楽業(パチンコとかゲームセンターとか?)」、「医療・福祉」、「サービス業」、「公務」、「運輸業・郵便業」となっています。

    通信制高校は専門分野を学べるコースを持っている学校も多いので、それに関連する仕事に就いている可能性が高いですね。(ネイル、メイク、ファッション、美容師、医療事務など)

    具体的な就職先の企業名を知りたい、という方は通信制高校の資料を請求すると、就職実績に欄に書かれています。就職先を予め確認しておきたいという方は、気になる通信制高校を選んで。資料を取り寄せてみると良いです。

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    通信制高校の卒業後の進路、その他の謎…2人に1人はニート?

    By: home-made-lemonade

    ここまで見てきたように、実は通信制高校の卒業者の進路先は「その他」に分類される人が非常に多い。

    進路先の「その他」は就職も進学もしないので、いわゆるニートもここに含まれるんですが、最も多いのは多分、フリーターです。

    一部では通信制高校の卒業者のうち、2人に1人はニートになるという意見もありますが、これは少し大袈裟だと思いますが、ただ「当たらずとも遠からず」というのが正直な所です。

     

    通信制高校は卒業するのがゴールじゃない

    通信制高校に求めるものというと、今までは「高校卒業資格」だったのですが、現在は「卒業後を見据えた進路指導、キャリア支援」も求められるようになりました。

    昔は働きながら通う人も多かったのですが、最近の通信制高校は不登校経験や高校中退者が増えましたから、時代の流れとともに通信制高校の果たす役割も変わってきているということ。

    そこで重要になるのが、

    • どこの通信制高校を選ぶか
    • 通信制高校在学中の過ごし方

    です。どこの通信制高校を選ぶか?は「公立か私立か」だけでなく、卒業後に自分がどういう進路を取りたくて、その希望に叶う通信制高校を選ぶ必要があるということ。

    また、通信制高校に在学中は出来るだけ人との関わり、社会との関わりを持ちながら、将来のことを考える機会を多く持つべきです。

    通信制高校は自宅での学習が中心ですが、自宅に引きこもって社会との関わりを持たず、自分の頭の中だけで将来のことを考えているだけでは限界があるからです。

    せっかく高校を卒業をしたのに、フリーターやニートではもったいない。よほどの事情があるのならともかく、せっかく広く楽しいこの世の中に飛び出そうとしているのに、目先のことにとらわれるのは人生の無駄遣いです。

    高校を卒業することが人生のゴールではありませんから、その時々の自分で良いので、在学中から精一杯、自分の頭で進路を考えておくようにしておけば、「その他」に混じることは避けられるはずです。

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