この記事は主に通信制高校に新入学を検討している、不登校の中学3年生の子供を持つ親御さんを想定して書いています。不登校経験者や不登校の生徒の受け入れに積極的な全国47都道府県から入学できる通信制高校の紹介記事です。
ただ、高校に入ってから不登校になってしまった生徒にも共通する内容が多いので、転入や編入を検討している方も、ぜひ参考にしてください。
不登校経験者・生徒を受け入れている通信制高校
通信制高校に通う生徒の約半数が不登校経験者や高校中退経験者というデータが有る通り、一般的に通信制高校は不登校経験者の受け入れに積極的です。
しかし、自分で各学校を調べて資料を請求した所、明確に不登校生徒の受け入れを打ち出している学校と、そうでない学校があることがわかりました。
さらに、受け入れに積極的でも、サポートや支援体制が整っているかどうかも各学校で大きく違います。私が調べてきた中で、不登校生徒や経験者を多く受け入れている通信制高校、サポート校の情報をまとめました。
飛鳥未来高等学校
全国10箇所のスクーリングに対応し、メンタルサポート体制も完備。生徒一人につく担任教員は皆「不登校対応カウンセリング基礎」、「非行対応カウンセリング基礎」の資格を持っています。
コースによってはクラス制も採用していて、請求したパンフレットには不登校経験者も多く掲載。
中学はあまり通えなかった人、高校をやめてしまった人、不登校や高校中退を特別視せず、この学校で上手く立ち直ってやり直す生徒が多い様子が見て取れます。
最寄りキャンパスから送られてくるハッピースクール通信(以下の画像)にも、不登校経験者がなぜ飛鳥未来に入学したのか、入学してみて高校生活をどう感じているか?というたくさんの生徒の簡易インタビューが掲載されているので、不登校経験者やその親にはとても参考になると思います。
週に1日からの登校ができるコースもあり、勉強面の補修アカデミーも別で用意。専門学校的な勉強もできますし、全体を見て明るく楽しそうな雰囲気が伝わってくる学校です。
さくら国際高等学校東京校
キャンパスは東京代々木一つのみで、週に5日通学の全日制に近い通信制高校。通学圏外の方は学生会館を利用できます。
元々この学校は1979年に不登校、高校中退、高校再受験の人を対象にした予備校として設立され、長い歴史の中で不登校生徒や登校拒否とか変わってきました。校長先生は関連書籍を出版しているほどのエキスパートです。
通学スタイルはほぼ全日制と同じで、学習レベルに応じた習熟度別クラスがあり、個人指導を織り交ぜながら小中学校レベルの復習から始まって、最後は大学進学まで目指せます。
請求したパンフレットにも不登校経験者の方の声はもちろん、校長先生の「よくぞ不登校になった」という言い切る学園長のメッセージは熟練者ならでは。
請求資料の中に「登校拒否の子どもたちの進路を考える研究会【略称:登進研】」の冊子もあります。
内容は団体の活動内容、セミナー参加者の声、「不登校から立ち直る」とはどういうことか?という公園妙禄が掲載されていて、これを読むだけでも不登校の子供を持つ親にとっては参考になるんじゃないかと思います。
第一高等学院
私が資料を請求したのがMobile High Schoolコースと高認コースだけだったので、一般通信制高校のコースでどう案内されているのか、残念ながらわかりませんでした。
キャンパスは全国50箇所。個別指導コースなら300箇所に対応。
ただHPを見る限り、不登校生との受け入れには積極的です。担任制を敷いてキャリア支援の資格を取得したスクールカウンセラーも完備。個人の学習レベルに応じた個別指導も行っています。
「高校で不登校になってしまった」、「学校に通えておらず、中学レベルの学習に不安」という内容のQ&Aでも、学校側から「問題ない」という回答が用意されています。
これらを見る限り、同じような境遇から入学してくる生徒も多いんだろうと思います。
KTC中央高等学院
ここからサポート校です。サポート校は通信制高校ではなく、通信制高校を確実に卒業するために日常のサポートを行う予備校のような所。(参考:通信制高校とサポート校の違い)
普段はサポート校に通ってレポート課題をこなしたり補修したりして、スクーリングや用事のあるときだけ通信制高校に通うというスタイル。
KTC中央高等学院は国内32箇所に拠点あり。HPでも不登校経験者の声が多く掲載されています。不登校生徒の受け入れ専用もページを設けたり、保護者向けのページを用意するなど、受け入れは積極的ですね。
また、中学生向けのフリースクール、「くれしぇんど」も開校。
学校に行く練習や勉強の準備を中学生のうちから行います。そのままKTC中央高等学院に入学しても、スムーズに環境に溶け込めるようにしています。(中学生向けのフリースクール在籍者は必ずKTCに入学しないといけないルールはありません。別の進路を選んでもOK)
トライ式高等学院
全国27都道府県、40箇所に拠点。家庭教師のトライが運営する通信制サポート校。
不登校経験者を大学に送り出してきた事例はもう数えきれないほど。高卒資格にとどまらず、不登校や引きこもりから大学進学をトータルサポートするのがトライ式高等学院の役割です。
通信制高校へは鹿島学園高等学院か日本航空高等学院、高松中央高等学校のいずれかに在籍し、年に数回のスクーリングに出席します。不登校生徒の受け入れは積極的どころか、専門分野と言っていいぐらい。
不登校だけでなく引きこもりの支援、解決事例、ノウハウも多く、不登校専門教師というプロが対応してくれます。通学が難しい場合は自宅学習コースが有り、メンタル面、学習面の最ポートから通学への橋渡しにも実績あり。
完全マンツーマンによるプロの指導なので、子供を預ける親としてもこれ以上ない安心感がありますね。
トライ式高等学院には中等部のフリースクールもあり、高校進学を見据えて上と同じようなサポートを中学生向けにも行っています。
まとめ
私はサポート校の資料は請求できなかったのですが、パンフレットや資料を請求するとその学校が不登校生徒や経験者に対してどういうスタンスが見えます。
不登校経験者の声、在校生の声を見るだけでも両親としては参考になったり、同じ境遇から立て直した人たちの声は希望の光になります。気になる学校があれば、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
その資料を自分の目で見て確認し、我が子と相性が良さそうか、安心して預けられそうか、学費面や募集要項の詳細まで含めて考えてみてください。