不登校経験のある人が成人し、仕事をし始め、その後どんな人生を送っているのか。
今不登校の子供を抱えて不安と絶望、限界の淵に追いやられている人からすると、明るい未来はなかなか見えてこないかもしれません。
しかし、はっきりと言えることは、全く将来は暗くない、ということ。
過去に不登校の経験がありながら世の中に羽ばたいていった人は腐るほどいます。
そして、その人たちは驚くほどアクティブで自分の力で自分の人生をしっかり切り開いています。
不登校から大人になったら…その後の人生はアクティブ過ぎて驚くようなものばかり
今回取り上げるのは東京シューレという歴史のあるフリースクールが出版した書籍、「学校に行かなかった私たちのハローワーク」に掲載されている者です。
詳しい内容は書籍に譲りますが、タイトルにある通り、ハローワークという、不登校経験のある人(東京シューレに通っていた人)がその後の仕事や就職という面にフォーカスした内容になっています。
この書籍には過去の不登校のきっかけ、当時の過ごし方や克服に関してはほとんど触れられていません。
むしろ、その後の高校生活~大学、就職といった自分の人生の軌跡を事細かに自分の言葉でしっかり描かれています。
不登校という括りが果たして必要なのか疑問に思うほどアクティブな人生
最初にこの本を読んで、最初に抱いた印象は3つ。
- 不登校経験がある人、ない人という区別(括り)は全く意味がない
- そこらへんにいる人、子供よりよっぽど充実している人生
- 自分の人生をもっと貪欲に生きなければいけないと反省
本の最初に掲載されている数人はちょっと引くほどのアクティブさ、積極性、行動力を兼ね備えた人たちでした。
10代後半から世界中を旅してまわり、フランス留学はもとより、東京→富山→ウラジオストック→シベリア鉄道→パリ→欧州南部→チュニジア→サハラ砂漠という、飛行機を一切使わない壮大な旅を実現させた人までいましたw
その方はHISに就職して、営業成績をどんどん高めて20代後半で支店長という肩書まで上り詰め、高卒とか中卒とかそんなことは一切感じさせないほどのパワフルさです。
他にもダンスのバレエに熱中してドイツで暮らしたり、海外に留学したりした人。
他にも鉄道関連の仕事、大工、女子プロレスラー、新聞記者、保育士などなど、実に多彩な仕事に就いています。
中卒なのに高卒以上の就職口を見つける人がたくさんいる
よく不登校中に、高校は出ておかないと将来仕事が見つからないという話をよくすると思います。
これはある意味で事実ですが、この本に紹介されている内容では、中卒の学歴しかないのに高卒以上の条件だった仕事に就いている人も結構います。
それは学歴では測れない魅力や能力をしっかり身につけてきたことに加え、雇用主と雇用される側の思惑が一致した、タイミングがよかったなどいろんな要素があります。
大抵の人は求人情報誌で「高卒以上」の文字を見てはすぐにあきらめる様な所を、玉砕覚悟で電話して面接までこぎつけ、正社員の座を勝ち取った例も結構あります。
だからといって高校に行く必要はない、なんて言いたいわけではなくて、不登校でもこんなに積極的に、自発的に自分の人生を生きている人がいるんだ、ということが大切です。
不登校経験の有無という括りが果たして意味があるのか?
ここまで見てきたように、実に多彩で個性的に、自発的に自分の人生を生きている人がたくさんいます。
本を読んでいて思ったのは、不登校経験の有無は成人後の人生において全く重要ではない、ということです。
私も中学時代に不登校でしたが、十代後半~成人後は全くそんなことの影響は感じないし、すっかり忘れ去られた過去の出来事になっています。
不登校の経験があろうがなかろうが、この世の中を生きる上では大した問題ではありません。
不登校経験がある人でも積極的でパワフルな人もいるし、学校に通い続けてきても消極的で小さくまとまった人生を送る人も山ほどいます。
不登校経験の有無だけで区別して比較するのは、もはや成人後は意味をなさないほど影響は小さいのかな、と思います。
→ 例え中学3年間・高校で不登校でも将来は不安ばかりじゃない
あまりのパワフルさと純粋さに自分の今を反省した
正直、自分の生き方を反省しました。もっとやりたいことを貪欲に、もっと積極的に生きなければいけない、と。
人間の成長と人生における変化は、行動の積み重ねと継続によってもたらされる、とは私の教訓です。
今は生活が特に変わり映えせず、仕事にも慣れて、変化を好まず小さくまとまった人生になりかけていました。
そうではなくて、もっと積極的に生きよう、もっといろんなことを行動しよう、という何か人生の基本中の基本を思い出した気がします。
今不登校でも、全く心配しなくていい
全くというと言い過ぎかもしれませんが、心配しすぎることはありません。
子供の心の中にある、このままではいけない、もっと人生を変えたいという心の芯さえ折れていなければ、子供は勝手に育っていきます。
ここで紹介した本にある内容のように、自分を信じて行動を積み重ねて努力していればきちんと道は開かれます。
→ 子供に「学校へ行かなくてもいい」と言う重要性を経験者が語る
そのための心身のエネルギーを親がサポートしてしっかり蓄えて、不安を少しずつ取り除いて行ってほしいと思います。
自分の人生を切り開くには自分自身ですから、結局は自分の望む将来を得られるかどうかは全て自分の努力次第ということです。