不登校の子供がいると、その両親特に母親、そして学校側で対応の仕方が異なる場合があります。正直、同じ学校であっても先生によって「見守る派」と「登校のための刺激を与える派」で異なり、さらには細かい配慮に対応してくれる人、してくれない人など様々です。
ここで学校側で不登校児に対してどのように対応すべきなのか、どのような対応マニュアルがあるのかを考えてみます。ただ申し上げておきたいのは、対応の仕方は一つではないためその人によって考える最善の対応が異なるということ。
マニュアルでは「生徒・児童個々の事情を勘案し対応」と書いていても、先生は先生なりの考えで突っ走ってしまうことがあります。ここで紹介するマニュアルはあくまで理想的な一つのモデルケースであり、様々ある対応の考え方の一つに過ぎないということをご理解ください。
学校側の不登校マニュアルの基本は文部科学省の考え方にある
私は教育関係者でもないですし、現役教師でもありません。ただ、おそらく学校側の不登校対応のマニュアルに基本は文部科学省の考え方に則したものだと思います。
文部科学省が公表している、望ましい不登校対応は以下のリンク先で紹介されいます。
一部分引用すると、このような内容です。
① 不登校については,特定の子どもに特有の問題があることによって起こることではなく,どの子どもにも起こりうることとしてとらえ,関係者は,当事者への理解を深める必要があること。同時に,不登校という状況が継続すること自体は,本人の進路や社会的自立のために望ましいことではなく,その対策を検討する重要性について認識を持つ必要がある。
② 不登校については,その要因・背景が多様であることから,教育上の課題としてのみとらえて対応することが困難な場合があるが,一方で,児童生徒に対して教育が果たすことができる,あるいは果たすべき役割が大きいことに着目し,学校や教育委員会関係者等が一層充実した指導や家庭への働きかけ等を行うことにより,不登校に対する取組の改善を図る必要がある。
まぁ、当り障りのない内容と言いましょうか、子供それぞれの事情と背景があるのでそれをしっかり把握しましょうということ。
そして不登校改善のために子どもと家庭へ働きかけを行うことが大事ですよ、というのが骨子でしょう。
教師に求められる不登校対応の専門書の内容
「上手な登校刺激の与え方―先生や家庭の適切な登校刺激が不登校の回復を早めます!」という書籍は担任の教師や学校側が不登校生徒・児童に対しどのような働きかけと対応をすべきかについて書かれた本です。
この書籍に目を通してみると、まずは理解→方針→対応→相談機関との連携→登校刺激となります。その子供がどういった背景で学校に来れなくなったのか、どういう事情があるのかの理解に始まり、関係機関の支援と連携を行いながら段階に則した登校刺激を行うというものです。
この対応マニュアルは不登校経験者の私が読んでも、かなり納得の行く内容です。特にいじめや友人との関係のもつれといった「学校にいけなくなった明確な理由ときっかけ」がある場合の対応マニュアルとしては理想的です。
しかし、実際の学校で行われている対応が全て理想的とは言えません。私が不登校の状態になった時は幸いにも教師に不満を持つことは少なかったのですが、実際は学校側へ不信感を持つ親が多いと聞きます。
両親の不満が爆発するのは事情と背景を理解せず自分の考えを押し付けられるから
不登校の子供の対応を巡って両親が学校側へ不満を持つことが多い理由は、おそらくこれでしょう。状況を正確に理解してくれない、細かい配慮を行ってくれない、そっとしておいて欲しいのに頻繁に家庭を訪問しては無駄に刺激を与えてくる、など。
要は両親がとりたい対応と学校側がとりたい対応が食い違っているケースです。
学校側は「子供にも会わせてもらえず、親の育て方や対応に問題がある」と不満を持ち、両親は「学校側がこちらの意向通りに対応してくれない」と不満を持ち、対立を深めてしまいます。
また、教師という職業にある人は教室内で「最も影響力を持つ人」であり、子供を相手にすると「自分の言うことは全て正義」という側面があります。
そのため、自分の考えが正しいという安易な考えに陥りやすい側面があります。
教師の中には自分の非を認められなかったり、頑なに謝罪の一つ出来なかったり、他の人の意見を柔軟に取り入れられない教師も少なくありません。(もちろんすべての教師がそうではありません)
学校や親がどうしたいかは重要ではない
少し刺激のある表現ですが、正直学校がどうしたいか、両親がどうしたいかはどうでもいいことです。
一番大事なのは、その子供にとって今一番適切な選択は何か?今は何をすべきか?その子供の将来のために今行うべきことは何か?です。親がどうしたいか、学校がどうしたいかではありません。学校と両親が対立していくと、そこを履き違えがちです。
学校側は学校に戻ることをゴールにしていて、両親は今休ませることを優先している。どちらも間違いではありませんが、お互いの意向ではなくその子供のために出来ることを話しあいましょう。
詳細は下記の記事に譲りますが、正直その子供の将来にとって学校が必要ないと思うのであれば学校に行く必要もないと思います。別の場所で学校で学べることを学べばいいので。