通信制高校とサポート校の違い、サポート校の役割についてこの記事で取り上げます。
サポート校は通信制高校の単位取得をスムーズにするための塾のようなところで、サポート校単独で入学することは出来ません。
通信制高校を卒業すれば高卒資格を得られますが、サポート校は民間の塾みたいなもんなんで、卒業しても学歴にはならないです。
サポート校には様々なコース、目的があるのですが、学費も高額です。個人的には、よほど明確な目的がない限り、無理にサポート校に入学する必要はないと思っています。
サポート校とは塾のような場所、通信制高校との違いは高卒資格の有無
通信制高校とサポート校の違いは、先程も述べた通り、高校と塾のような関係にあります。
通信制高校は高校卒業のために通う高校、サポート校はそのための勉強をサポートするのが役割の、塾や予備校のようなところです。
サポート校はここ単独で入学することは出来ず、サポート校だけ卒業しても高卒資格は得られません。サポート校に入学する時は、必ず通信制高校とセットで入学します。
もちろん、サポート校は希望者のみが入学するところですから、サポート校には入学しないで通信制高校のみ通って高校を卒業することも出来ます。
てか、全体の統計で見れば、むしろサポート校には通わない人の方が多いです。
通信制サポート校の役割
サポート校の役割は、大きく3つの役割があります。それが、
- 通信制高校の卒業するための勉強サポート
- 専門領域の勉強
- その他の日常生活でのサポート
です。
まず最初の「通信制高校を卒業するための勉強サポート」ですが、自主的に勉強をし、レポート提出、単位認定試験、スクーリングを計画的に滞りなくこなせるよう日々のカリキュラムに組み込み、無理矢理にでも卒業まで持っていくのがサポート校の役割です。
もともと通信制高校は3年間でスムーズに卒業できる人の割合が少ないし、中退率や単位修得率も低いのが通信制高校の課題なんで、サポート校はそこを補佐するのが役割ということ。
自己管理や自主性が重んじられる通信制高校だからこそ、そこに自信がない生徒たちをサポート校が3年間での卒業ができるようにサポートします。
生徒のサポート(心理面、不登校支援、引きこもり支援など)
次の役割は、生徒の生活面でのサポートです。
単位の取得、履修計画などの勉強状況だけでなく、不登校支援や引きこもり支援、カウンセラーなどによる生徒の心理ケア、学校生活への順応や将来のことに対する相談など、サポート内容は多岐に渡ります。
すべての生徒がこのようなサポートを必要としている訳ではないのですが、不登校支援や引きこもり支援は専門家を配置した特別コースを作っている学校もあり、これらも通信制高校の卒業を目指す上でのサポート校の役割といえます。
専門学校のような授業を受けられるのもサポート校の役割
通信制高校やサポート校の中には、美容師、ファッション、ネイル、デザイン、マンガ、イラスト、声優、芸能、大学進学、プログラミング、スポーツ、医療など様々なコースを併設している学校があります。
通信制高校だけの勉強だけでなく、専門領域のプラスαの勉強を出来るのもサポート校の役割です。
提携している専門学校の授業を高校生のうちから受けられるようになっていて、他の生徒よりも早く専門的な知識、スキルを身につけることが出来ます。
一部の授業が通信制高校の単位として認定してもらえることもあり、通信制高校の勉強+専門領域の勉強を同時に出来るのがメリットです。
個人的には、そこまで専門領域の勉強を高校生のうちから急ぐ必要はないと思っていますが、将来のビジョンが明確になっている生徒には受けがいいようです。
私立の通信制高校は、サポート校の機能が併設されている高校も多い
本来、通信制高校とサポート校は別々の学校です。しかし、昨今は私立の通信制高校のなかで、サポート校の機能も兼ね備えたところが増えてきました。
高校卒業を目指す通信制高校のみのコースの他に、大学進学コース、美容コース、プログラミングコースなど、プラスαの専門の勉強も同じ学校で出来たり、通信制高校の単位取得をスムーズにするためのカリキュラムがある週3日登校コースなど、内容は様々です。
私立の通信制高校の大手、クラーク記念国際高等学校や第一高等学院高等学校、飛鳥未来高等学校、N高等学校などは、通信制高校+サポート校の両方を兼ね備えた通信制高校です。
これらの学校でもサポート校機能が不要なのであれば、通信制高校のみの勉強を行うコースが必ずあるんでそっちを選択して入学すると良いかと思います。
学費は高いが生徒本人の居場所になることも…
個人的にはサポート校は過剰な営利主義が見について、あまりいい印象がありません。
ただ、通信制高校って毎日通うことがなく、社会的な帰属が希薄になりがちです。そのため、自宅以外に自分の居場所が作りにくいという側面もあるんで、サポート校はその居場所作りに一役買ってくれるのも事実なんです。
私も、高校を中退した後に高認予備校(当時は大検予備校)に入学し、1年通いました。本来であれば独学での合格も十分に目指せたのですが、いつ行っても自由、いつ帰っても自由という気軽さもあり、自分にとって大切な居場所となっていました。
高認予備校なんでサポート校とは少し違いますが、私にとってはそこで色々な人と出会い、また生活を楽しみ、会話を楽しみ、自信を取り戻すキッカケにもなったので、サポート校が必ずしも絶対に不必要とも思ってないんですね。
ただ、サポート校は学費がとにかく高い(安くても40万~、高いところだと80万~100万円前後!!)ので、経済的負担に耐えられるかどうか、色んな側面で判断が必要かなぁと。
学費が高く経済的負担が大きいため、無理にサポート校に入学する必要はない
美容師やプログラミング、美容などの専門領域の勉強を合せてしたい人、不登校や引きこもり支援など、明確な目的がある場合はともかく、そうでない人は無理にサポート校に通う必要はありません。
大学進学コースだって大した内容じゃない学校が大半だし、それなら大学受験予備校や塾に通うほうが賢いと思います。
通信制高校は自主的に勉強を進めないといけないし、サポート校なしで卒業を目指すのは難しいのか?と不安になる方もいますが、私立であれば面倒見も良いのでサポート校なしでも大丈夫だと思います。
通信制高校を卒業できるかどうかって、結局は生徒本人の自主性だし。居場所の面ではメリットもあるけど、私立の通信制高校ならサポート校機能を付けなくても、十分生徒にとっての居場所は作りやすいんじゃないかなぁと思います。
サポート校は通信制高校に入学してから遅れて入学することも出来る場合もあるので、最初からサポート校ありきで考える必要はないですよ。