子供がある日突然「明日から学校にはいかない」と宣言し、そのまま不登校+ひきこもりになったという話はよく聞きます。
疲れているのか、少し休ませればいいかと思っていても、来る日も来る日も起こしても起きず学校に本当に行かない。
そういった日々が続くと親は焦ります。なんで自分の子が不登校に…。と目の前の現実を受け入れらず大パニックです。
この段階で子供に「なぜ学校に行かないのか」と根掘り葉掘り聴こうとするものの、子供は一切答えてくれません。
特に中学1年生~3年生の思春期まっただ中の子供は親との接触を拒みがちですし、ただでさえ難しい年齢なのに、学校に行かない理由を事細かに性格に話してくれる子供のほうが少ないでしょう。
思春期真っ只中の中学生の不登校…子供の気持ち、本音はどこにある
中学生で不登校になってしまった子供の気持ち、本音は一体どんなものでしょうか。
色々考えを巡らせてみるものの、自分が思春期だった頃は嫌なことが合っても我慢して行っていたし、何より学校を休もうものなら親にこっぴどく叱られた。
だから自分の子供にも多少キツく対応してでも無理やり学校に行かせる事こそが、子供の為なのだと親は信じて疑いません。
強い登校刺激を与えても状況は変わらず、父親が出てきて更に強い刺激を与えても子供は暴れたり、余計に塞ぎこむだけ…。
こんな状態になって、子どもの話をようやく根掘り葉掘り聞き出そうとしますが、もう既に信頼関係は壊れてしまい、子どもは心をひらいてくれません。
原因が分からなければ解決しようがない。だから子どもがそれをしっかり話す責任があるのに、それを話そうとしない上に学校にも行こうとしないのは、単なる怠けでしかない。
そう突き放し、余計に子供を傷受ける無益な毎日の繰り返しです。
不登校の中学生の子供の本音は矛盾に満ちている
私が不登校になった時のことや、いろいろな書籍で紹介されていた事例を元にして、子供の本音は一体どんなものなのか、整理して考えてみます。
親が色んな理由や原因、子供の気持ちを聞き出そうと躍起になっているとき、子供の心のなかではこんな、一見矛盾した気持ちで支配されています。
- 親に自分の繊細な気持ちの中に入り込んでほしくない
- 正直放っておいて欲しい、うっとうしい
- 自分のことはあまり話したくないけど、親には自分の気持はわかってほしい
- 自分からいろいろ話さなくても、察して欲しい
- 勇気を出して自分から話しても、どうせすぐに否定される
- 自分の悩みを親になんて話したくない、知られたくない
- 自分の悩みは所詮親にしたらしょうもないことで、誰にもわかってくれない
親にはズケズケと自分の心の中に入り音できてほしくないけど、自分の気持ちをわかってくれる理解者であり味方であって欲しい。
こんな矛盾した、自分勝手な考え方と言われればそんなものですが、これが真実です。
子供の気持ちがもっと単純で素直であれば思春期が難しい年齢と言われることはないはずです。
思春期の子供の気持ちは理性や論理で解明できるほど、まっすぐではないし、曲がりくねって矛盾に矛盾を重ねているからこそ思春期だと私は思います。
まずは子供の存在を全て受け入れてあげること
子供が何も話してくれないのは、もしかすると「今までに話そうとしたけど、すぐに否定されたから」かもしれません。
私もなんとなく覚えがありますが、自分の気持や不安を伝えても、結局すぐに正論で突き返されて、「だから自分はダメなんだ」という結論になることが大半です。
子供がなにか話しても、結局「そうはいってもねぇ!」とか「そんなことで!」とか「皆は普通にできているのに」とか言われると、結局自分の気持を理解されずに突き放されて寂しい気持ちになるだけです。
結論云々ではなくその時感じた正直な気持ちに親も共感して欲しいのが、子供の気持ちです。
まずは否定をやめてみましょう。指示、命令もこの際一切やめてみましょう。
子供の存在全てを受容してあげて、子供の不安な気持ち、イライラ、絶望、そういったネガティブな気持ちに心底共感してあげてください。
子供は結局、自分はどうすればいいかわからないという迷路に迷い込んでいて、親がそれをしっかり見守ってくれているという事実がほしいだけです。
クラスメイトや先生に理解されなくても、仮にダメダメになってしまった自分でも親にだけはその苦しい気持ちをわかってほしいというのが究極の本音です。
親の対応として望ましいのは無理に聞き出そうとしないこと
子供の気持ちをいちいち聞き出そうとするよりも、まずは信頼関係の再構築を図るほうが先決です。
とりあえずは学校には無理に行かなくていいと子供に伝え、安らぎと癒しの場を家庭内に作ってあげましょう。
親は子供の味方であること、話したくなければ話さなくていいし、話したくなったら話して欲しいこと。
親の自分はあなたを絶対に見捨てないこと。
仮に世の中の人、全員が敵になっても、親は子供の味方であり続けること。
何か親として助けの手を差し伸べることが出来ると思うからと、子供の気持ちを尊重しつつ、自分が小人を心配していてこれ以上突き放すつもりも傷つけるつもりもないと伝えてあげてほしいと思います。
子供には親が自分を絶対に見捨てないという安心こそが、後々にいい影響をおよぼすはずです。
しばらくすると不登校から昼夜逆転やゲーム、ネット中毒のような状態になりますが、ある意味それは多くの不登校生が克服までの過程で歩んできた共通の通過点です。
進級がどう、受験がどう、将来がどう、というのは子供もああ見えて実は真剣に考えています。
焦らず、長い目でみて子供の心身の健康を取り戻しましょう。