子供が不登校になってしまうと、親の精神も体力も想像以上に消耗します。家庭内には暗い雰囲気が蔓延し、かつての明るかった子供の姿と変わり果てた今の現状に嘆き悲しむ毎日。
不登校は子供だけの問題ではなく、親もその当事者の一人です。子供の不登校をきっかけに夫婦仲にヒビが入る話もよく聞きますし、親のメンタルケアも大切な問題です。
不登校に関するカウンセリングは、本人だけでなく親を対象にしたものもあります。その親向けのカウンセリングの内容と、気をつけておきたいポイントをご紹介します。
不登校で引きこもりにある子供に悩む親向けのカウンセリング
まず最初に申し上げておきたいのは、カウンセラーとなる相談員も人間であるということ。必ずしもそのカウンセラーが皆完璧かというと、そうではありません。時に耳を疑いた唸るような発言をする人もいます。
不登校の背景には色々な問題が複雑に絡み合って起きています。精神医学、脳科学、心理学、教育関連、家庭内のこと、友人関係、身体症状…。
不登校と一口に言ってもその守備範囲はものすごく広いので、全てを兼ね備えたカウンセラーを探すのは難しいです。
当たり外れが激しい相談員を選ぶ上での重要ポイント
また、相談員にもそれぞれの得意領域があったり、これまでに見てきた事例の豊富さ、その中でも得意なタイプと苦手なタイプが有ります。
カウンセラー側の都合なのですが、相談前にはなかなか目に見えてこない裏の事情があるのも事実です。
全てを兼ね備えたスーパー相談員を探そうと思うとそれこそ大変なので、現実的にどういう相談員を選ぶと良いか、またこういう相談員は避けたほうがいいかも、というタイプを考えてみます。
- 不登校、ひきこもりについて、大学などで正式に専門領域として研究してきた人
- あらかじめ口コミなどで不登校に関してどういう考え方なのかを確認できる人(また、その考え方が自分のそれを大きく違わないこと)
- カウンセリング以外に子供向けの活動を行っている所(適応指導教室、フリースクールなどとの連携)
- 相談員の考えを押し付けてこない人、極論を言ってさじを投げない人
- 実際に話してみてすっきりした、気付かなかった問題点などを指摘してくれる人
- 相談員の言うことに納得ができ、共感できること
- 不登校についてのカウンセリング経験が豊富であること
- 克服に向けた話し合いの中で、具体的に話が出来る人
当然、全て揃った相談員を探すのは一苦労だと思います。
相談前にわかること、相談後に感じたことふまえて、できるだけ一致するポイントが多い人を選ぶ方が気分的にも楽だと思います。
相談員に投げかけられるキツイ一言
極論を言ってさじを投げない人、というのは結局のところ「あなたの教育が失敗しましたね」とか「親の責任ですね」などそれを指摘した所で元も子もない事を平気で言ってしまう人のことです。
あるいは、「子供を見守りましょう」とかもっともらしいことを言いつつ、どういう風に見守るとか、こういう場合はどう接するのかという質問を投げかけても結局具体的な返答が出てこない人も要注意です。
元校長先生などでも、自分の経験からなんとなくで話しているだけの無責任な相談員もいます。
また、カウンセリングだけでなく不登校の子供を扱った事例そのものが少ないので、引き出しが極端に少ない人も残念ながらいます。
最初からどの相談員がいいかどうかは完全には区別できませんが、不登校の親の会などで話を聞いてみたり、ネットなどで口コミがあれば探してみるのもいいでしょう。
カウンセリングの基本は相手を受容することから
私はカウンセリングの専門知識も、受けた経験もないのですが、いろいろな経験談を聞いている範囲で感じるのは、「まず相談員が自分を受け入れてくれるかどうか」が最初のハードルのように感じます。
話を否定せず、口を挟まず、まずは正確に状況を理解して感情に共感してくれる。その上で一緒に解決策を考えたり、相談者の心の負担を軽減したり。
逆に困るのは、相談員の考える結論を押し付けたり、「うちはこれでみんな解決してきましたから、それで無理ならお子さんの怠けの問題です」など自分の経験をパターン化させて子供に押し付けたりする人です。
非常に不快な気持ちになるでしょうが、そういった場所には無理には行かなくても良いでしょう。もっと自分に合うところがあるかもしれませんので、他をあたってみるのも選択肢に入れていいと思います。