子供が不登校になってしまってから、必ずと言っていいほど親の頭を悩ませるのは家での過ごし方です。
一般的に不登校生徒はゲーム、ネットに依存しやすい傾向が非常に強く、自宅では好きな事ばかりして昼夜逆転している生活に親は焦りを覚えるでしょう。
こういった不登校になってしまったことは受け入れられても、自宅での過ごし方をどうすべきなのか、私自身の経験を紹介しながら考えていきます。
不登校生徒の家での過ごし方の3大特徴はネット依存・ゲーム依存・昼夜逆転
はっきり言って、ネット依存とゲーム依存、そして昼夜逆転は不登校につきものです。
特に小学校高学年~高校生年代であれば8~9割以上の生徒に共通するものではないでしょうか。
様々な書籍はもちろん、自分の経験を振り返ってみても、家での過ごし方については無理やり強制させようとしてもあまり効果がない気がします。
それよりも、不登校の子供がなぜ皆が皆そういった状態になるのか?どういう推移で変化していって、その先の出口にたどり着くのか?を考えた方がいいと私は思っています。
この記事でも、なぜゲーム依存・ネット依存などの特徴になぜ子供が陥るのか?という子供目線での視点と、親の気持ちの視点と両方を参考にしながら話を進めていきます。
不登校中の家での過ごし方に頭を悩ませる親の気持ち
自宅では好きな事ばかりしていて、テレビやネットで見た楽しいことを話してくれる子供の姿を見ていると、少しずつ元気を取り戻しているようで安心します。
しかしその一方、だったらなぜ学校に行けないのか?と疑問を抑えきれないでいると思います。それとなく口に出しては子供を刺激してしまい、後悔する親も少なくないと聞きます。
また、自宅では元気に過ごしているのに同級生の親に「元気にしてる?」と聞かれて返答に困るという話もよく聞きます。
まぁ元気なんだけど、元気って言うのもどうかって話だし、でも学校には行けていないし…うーん。
不登校の子供を持つ親としては子供の家での過ごし方は頭を悩ませる大きな種となっています。
不登校の状態はなんとか受け入れられても、家での過ごし方が荒れに荒れている状態はどうしても受け入れられない。
今後社会復帰していくうえで今の過ごし方ではマズイのではないか。それが親の正直な気持ちではないでしょうか。
不登校の状態推移と自宅での過ごし方を理解すべし
まず不登校には必ず状態の変化があります。行きしぶりの初期と、不登校が日常化している状態と、なんとかその状態を脱出しようと子供自身が動き出す時期とでは全く中身が違います。
不登校の中身の変化については「不登校解決事例と改善例に共通する克服までの5段階推移」で、その対応については「【経験談】不登校中学生の親の対応の仕方【完全版】」で紹介しています。
基本的に不登校には5段階あり、昼夜逆転、ゲーム、ネットという3大特徴が見受けられるのは2段階目~3段階目が最も顕著で、その後4段階目あたりから少しずつ改善していきます。
ゲームやネット、昼夜逆転といった生活の乱れだけを改善しようとするよりも、それらは不登校とセットになったものとして一緒に解決していくのが個人的にはいいのかな、と思います。
私の時はネットは今ほど身近にはなっていなかったのですが、今はスマホやパソコンなどネットが生活に浸透していますからより顕著だと思います。
一概には言えませんが、男の子はゲーム、女の子はネットの傾向が強いかもしれません。
もちろん、人によっては早急にこれらの生活の乱れは改善させるべし!という意見をお持ちの方もいるかと思いますが、用事もないのに朝起きてもやることはありませんし、長続きしません。
注意事項があるとすれば、不登校からのオンラインゲームによるネトゲ廃人、不登校からの引きこもり対策などの環境づくりは意識しておきましょう。
私の経験上、第三者が強引に強制させるよりも本人がその必要性を感じない限り改善は難しいと思っています。
親が最も注意すべきことは、子供が今不登校のどの状態にあるのかを正確に理解することだと思っています。
ネット依存とゲーム依存そのものが悪い訳ではない
こちらも賛否両論ある意見だと思います。私はゲームやネット、昼夜逆転そのものが悪いという考えはありません。
不登校になると大半の生徒がこの状態に陥るということは、ぞれ相応の理由があるからです。しかもその大多数はきちんと社会復帰できているからです。
なぜ子供はゲームとネットに逃げるのか?
大人でも毎日毎日ず~~~っと嫌な事を考え続けていては気が滅入るでしょう。
嫌な事や悩みがあって、そのことばかり考えていたらさすがに病むでしょうし、他の事をして気晴らししたり、気を紛らわせたり、気分を入れ替えたり、時には現実逃避したり。
不登校の子供にとってのゲーム・ネットはこれにあたります。家の外に出ようにも周りの目が気になるし、逆にエネルギーを使います。周囲の目を気にしながら散歩したって、逆に疲れるだけ。
外出して気分転換!なんて気にはなれないでしょうから、必然的に家で出来る”何か”に頼ることになります。その”何か”がゲームとネットになります。
ゲームやネットをしていると、その時間だけは悩んでいることから解放されます。夢中になればなるほど、悩みから遠ざかれます。
とにかく学校のことを考えなくていいので、とりあえず気分が楽になります。自分が苦しんでいる事柄と自分なりにきちんと向き合っていても結局気が滅入るだけ、自己嫌悪に陥るだけなので少しでも悩んでいることから離れたいのです。
離れている時間が長くなればなるほど少しずつ冷静さを取り戻り、自分の中で消化していきます。つまり、時間が解決してくれるのを待っているのです。
ゲームやネットに逃げるのは、自分がそのことを受け入れようとしている側面もある、というのを忘れないでほしいと思います。決して本人は逃げているだけではありません。
家では普通に過ごせるのなら学校に行けないのか?
このことから、家で好きな事ばかりしているんだったら学校に行けるでしょ!というのは親の勝手な解釈です。
学校に行ける状態にまで戻すために、そういう過ごし方をしているのですから。
じゃあ結局は見て見ぬふりをするしかないのか?というと、そうではありません。子供自身が見せる小さな変化を見落とさない事です。
5段階の不登校推移のなかで、子供が今どの段階なのか?子供の心身の状態は今どうなっているのか?を正確に理解することです。
そして、その段階段階に応じた適切なアドバイスと接し方をするのが親の務めだと私は思います。
ある程度心身のエネルギーが回復してきたのであれば、外出に誘ってみたり、旅行に行こうと誘ってみたり。
それがまだ出来ない状態のときに強制されても負担になるだけですから、状態の見極めは親が最も注力すべきことだと私は思います。