何らかの理由で学校に行けなくなってしまうと、必ず保健室登校という選択肢が出てきます。学校側としても、親としても教室に入れないのであればせめて保健室登校でも…という気持ちがあると思います。
また、教室復帰に向けたトレーニングとしてや、出席日数の確保、とにかく学校へ行くという段階的な練習など保健室登校には様々な目的、背景があります。
小学生での保健室登校では教室復帰を目指しているか、目指していないのかをまず明確にしたいところです。
保健室登校から不登校克服へ!教室復帰を目指す効果的な過ごし方
まず、保健室登校は教室復帰を視野に入れたものなのか、それを考慮するずっと以前の段階なのかによって目的が変わります。
学校に行くことすら全くできなかった子供が保健室登校を始めるのと、しばらくの間保健室登校を続けている子どもではどんな過ごし方がいいか、どんなことを考慮するかは当然違うからです。
まずは不登校の段階と照らしわせて、保健室登校の目的がどこにあるのかを最初に整理しておきましょう。
小学生の一般的な保健室登校の形
大抵の場合、小学生であれば朝の始業時間ではなく、周囲の児童と少し時間をずらして遅刻で登校するケースが多いでしょう。
また、低学年や不安が大きい児童の場合は親の送り迎え、母子登校などの形が取られることもあります。
保健室での過ごし方は、何もせずにただ保健室の先生(養護教諭)と話すだけの場合もあるし、プリントや自習など勉強をして過ごすこともあります。
保健室以外では図書室や特別養護クラスなどで過ごす場合もあるので、一概に保健室登校といっても実態は様々です。
親と学校側が認識しておきたいことは目的地を共有すること
親が学校側の対応に不満を漏らすことは少なくありません。担任の教師から放って置かれていると感じたり、気遣いがなく強引であったり、方針が共有できていなくて対応そのものに不満があったり…。
当然のことですが、子どもが学校に行けない、教室に入れないのは色々な背景と原因があります。
それらを最大限考慮しつつ、将来的に子どもが学校・教室復帰を目指しているのか、あるいは他の形を目指しているのか、最終的にどのような姿を目指しているのかを共有しておきたいところです。
教室復帰に親がこだわっておらず、他の場所で教育を受ける形を目指しているのであればそれはそれでいいと思いますし、教室復帰の可能性があると判断できればそれを目指せばいいでしょう。
とりあえず様子見であれば、その旨をきちんと学校に説明して認識を共有しておかないと、それぞれが別の方向を向いて対策をとってしまいますから、トラブルになりがちです。
目的地に向かうために、段階的にどんな対応を取るべきかを協議
最終的に教室復帰を目指しているのであれば、今の現状がどういう状態なのかを正確に把握しなければいけません。
そして、どんな問題をクリアしなければいけないか、どんなことに配慮しなければいけないかを整理する必要があります。
段階をふっ飛ばしていきなり教室復帰は出来ませんから、一歩一歩難易度を上げて、ゆっくり子どもの様子を見ながらその都度考えていくのがベストでしょう。
ただ、そこまで親身になってくれる先生がいるかどうかは正直運に左右されますし、この辺りは難しいところでもあります。
学校側の対応としては、「学校に来るだけでも一苦労」という状態であればある程度子どもが楽しめる「遊びやリラックスの要素」を入れた過ごす方がいいでしょうし、それに慣れてきたら勉強とか、他の児童との関わりを少しづつ増やしてみるのもいいと思います。
この段階ではとりあえず学校に来るということが最も重要だからです。
いろんな選択肢を考えてみて、パターン化させないようその子その子に合わせたやり方が模索できるといいです。
親としても学校に不都合を押し付けるばかりではなく、きちんと事情を説明したり、学校での子ども様子と自宅での様子を連絡しあうといいと思います。
理想論ばかりになってしまいますが、お互いを尊重しつつ、子供の将来のために当たり前のことを当たり前にこなす姿勢がどうしても必要になります。