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起立性調節障害と全日制高校の相性は悪い【進学後の統計】

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起立性調節障害の生徒にとって全日制高校は相性が悪い進学先です。病気の症状が強く、中学時点での出席率が低ければ低いほど、全日制高校での中退率も高くなるからです。

親が全日制にこだわるケースもありますが、そのこだわりは一度横においておいて、過去に同じ起立性調節障害を抱えながら高校に進学していった人たちの統計や経験からヒントを貰いましょう。

この記事では起立性調節障害の生徒にとって全日制高校への進学の是非、注意ポイント、事前に理解すべき点を、過去の統計と私自身の経験を踏まえながら紹介をしていきます。

 

全日制高校に進学した起立性調節障害の生徒のその後の統計

高校の校舎と青い空

起立性調節障害と全日制高校の相性の悪さは、統計にも出ています。大阪医科大学附属病院の小児科を受診した生徒に関する調査の統計を見ていくと、

  • 中学3年生時点での出席率が低い生徒ほど全日制高校での中退率も高くなる
  • 起立性調節障害の症状があっても、中学3年生2学期での出席率が高い生徒であれば、全日制高校でも十分にやっていける

ことが分かっています。

つまり、起立性調節障害から全日制高校に進学したとして、本当に3年間通えるのだろうか?という疑問は、実は中学3年の出席率をみればおおよそ答えが分かる、ということ。

 

起立性調節障害の生徒の中学3年時点の出席率と進学後の相関関係

起立性調節障害の生徒の中3時点での出席率と、全日制高校進学後の出席率の関係について、見ていきます。出席率は4段階に分けており、まずは出席率が高い順から見ていきましょう。

 

中学3年時点で出席率が90%以上ある生徒たち

中学3時点で9割以上出席できている生徒なら、全日制高校に進学しても4分の3ぐらいは卒業できています。

残り4分の1は中退している生徒もいますが、中退の理由が起立性調節障害とは無関係のものも含まれており、基本的には中退リスクは0ではないが低めと認識しておくと良いです。

起立性調節障害の症状が比較的軽くて、出席率も高いのなら、さほど心配しなくて大丈夫。

 

中学3年時点で出席率が出席率が70~80%の生徒たち

中3時点で週に1回程度の欠席ペースの生徒だと、全日制高校で生き残れるのは約半数です。

最初は張り切って学校に行けていても、体力が続かずに中退してしまったという生徒が目立ちますね。徐々に遅刻が増え、欠席が増え、入学から半年~1年経過するころになると、出席率が50%程度に滞る生徒が多いようです。

 

中学3年時点で出席率が30~60%の生徒たち

中3で週に半分近く欠席している生徒では、「どのような理由でその高校を選んだか」の理由によって生き残れる割合が全く異なります。

詳細は後ほど詳しく説明しますが、前向きな理由でその高校に進学した場合、ほとんどの生徒が全日制高校に進学しても卒業までたどり着いています。ここは他の統計とは傾向が異なる、嬉しい例外に当てはまるケースです。

逆に、消極的な理由で進学を決めた生徒だと、高校進学後の中退率は(正確な数値ではないものの)7~8割を超えてきます。

入りたくてその高校に入ったのなら進学しても大丈夫ですが、そこの高校しかなかったから仕方なく行くのなら、中退は時間の問題というところ。

 

中学3年時点での出席率が20%以下の生徒たち

最後に、中学3年時点で全欠席、もしくはそれに近い状況の生徒が全日制高校に進学しても、高校1年の段階で半数が中退してしまい、卒業までたどり着けるのは10人中たった1~2人です。

この出席率の生徒が全日制高校に進んだ場合の中退率は31.2%、通信制高校(通学型)での中退率が3.8%なので、その差はなんと13倍です。

中学3年時点でほとんど学校に行けていないのなら、通信制高校を選ぶのが得策と言えそうです。

 

なぜ起立性調節障害の生徒にとって全日制は相性が悪いのか

試験用紙と筆記用具

起立性調節障害と全日制高校の相性の悪さの理由は単純。全日制高校は毎日朝早くから決まった時間に出席しないと留年(中退)してしまうからです。

全日制高校は1年間でたった1つでも単位を落とせば全てやり直し(=留年)です。月曜1時間目の授業など、出席が滞りがちな科目が1つでも出てくればもうギリギリの綱渡り状態。

親子で精神的にも消耗するし、留年のストレスが余計に起立性調節障害が悪化してしまうのです。起立性調節障害の生徒にとってみれば、どうしても体力的、精神的な負担は大きくなってしまいます。

 

起立性調節障害でも全日制を卒業できた人に共通する、たった1つの条件

しかしながら、中3時点での出席率が約30%~60%程度(遅刻、保健室登校なども含む)でありながら、全日制高校を卒業している生徒が一定数いるという例外もありました。

例外に当てはまった生徒たちは皆、自分の状況的に全日制高校は厳しいという説得にも関わらず、生徒本人が何がなんでもその高校に進学することを希望し、周囲の反対を押し切って進学しているのです。

このような前向きな理由で全日制高校に進学した生徒たちは、中学3年時点での出席率が低くても、かなりの確率で卒業までたどり着けることが分かっています。

逆に「とりあえず全日制に」とか「入れる高校にどこか入れれば良い」という消極的な理由で高校を選んだ生徒たちは中退リスクは跳ね上がることも判明済み。

全日制高校への進学は、生徒本人がどれだけその高校に進学したいのか、その気持の強さが進学後にも影響している訳です。

 

全日制高校の受験を検討する場合は通学の負担も考慮しよう

全日制高校への進学を検討する場合は、通学の負担も考慮することも忘れてはいけません。

中学よりも高校のほうが通学の負担は増えますから、出来るだけ自宅から近く、通学の負担が少ない所が望ましいです。満員電車は大人でも消耗しますし、起立性調節障害の生徒は特に消耗度合いが激しい。

通学で体力を使い過ぎてしまうと、やはり3年間、毎日通い続けるのは難しい。

 

私は起立性調節障害からの全日制に進学し無残に中退

学校の教室と机

偉そうなことを言っている私ですが、実は起立性調節障害から全日制高校に進学し、たった半年で中退しています。

中学3年時点での出席率は40~50%程度、「自分が行きたい高校」ではなく、「自分でも入れる高校」探してしまったので、結局一番魅力を感じていなかった男子校に”やむを得ず”入学しました。

しかも通学1時間(坂道を徒歩25分、満員電車25分、坂道を徒歩15分)、不良が混じる偏差値の高校だったので厳しい校則や教師の指導・校風に馴染めず、あえなく撃沈しました。

まさにこの記事の内容を理解しておくべきだったのは、中学3生だったあの時の私です。

起立性調節障害の生徒の高校選びは間違うとダメージが非常に大きいですから、ぜひこの記事をご覧になっている方々には、私と同じ失敗をしないでほしいと思います。

 

まとめ

ここまでをまとめると、起立性調節障害から全日制高校への進学は、進学する場合は、

  • 中学3年生時点での出席率を考慮すること
  • 生徒自身が強く希望する高校にすること
  • 通学の負担が軽い高校が良い

という3点が重要です。

特に中3時点での欠席率が高い生徒ほど、中退率も高くなることを充分に理解しておきましょう。全日制高校への進学に不安がある人は、まずはこの病気と最も相性の良い通信制高校の情報収集からスタートすることをオススメします。

仮に全日制、定時制、どの高校に進学したにせよ、起立性調節障害の生徒は常に高校中退のリスクがつきまといます。そのリスクが表面化した時でも、通信制高校という受け皿の存在を知っておくだけで親子共々、心の余裕が全く違うからです。

通信制高校のパンフレット

私の場合、全日制に進学後に中退したときは家庭内も大混乱に陥り、親子共々酷く消耗しました。私自身も精神的に酷いダメージを受け、家庭内の雰囲気も暗く、失った自信を取り戻すのにも非常に時間がかかりました。

今思い返すと、起立性調節障害という病気をきちんと理解し、親子で次の選択肢を予め想定しておけば、またあの時の状況も違っただろうと思います。

もし私があの時に戻れるのなら通信制高校の情報収集も入念に行いますし、あなたにも強くそうすることをオススメします。

なぜ起立性調節障害の3人に1人が通信制高校に進学するのか?」でも、なぜ起立性調節障害の生徒にとって通信制高校は相性が良いのかを、仕組みや過去の統計、卒業率などの観点から詳しく書いていますので、是非参考にしてみてください。

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