この記事では、高校中退が上手くいった例を紹介しています。私個人の例に加え、知り合いのケースも取り上げ、どうすれば高校中退を良い方向に導けるのかを、経験者の立場でアドバイスしていきます。
結論としては、高校中退後に通信制高校や高認試験を受けて、学歴を中卒のままにしないことが重要だよ、と。高校中退後に取る進路によって、高校中退してよかったと思えるのか、はたまた激しく後悔するのかの分かれ目になっています。
高校で思いがけず不登校となり、不本意ながら高校を中退するかもしれないという人、あるいはその両親を対象に、言葉では言い表せられない強い不安を、この記事を読むことで少しでも和らげて欲しいと思います。
高校中退からの成功例:中退してよかったと思いたいなら勉強をやり直そう
私個人の例で申し訳ないのですが、私がどのような経緯を辿ってきたのかを簡単に紹介します。個人的には高校中退してよかったと思っていますし、多少の苦労はあったものの、自分が辿ってきた道に後悔は一切ありません。
私が高校を中退したのは高校1年の11月。偏差値の低い男子校で、素行の悪い生徒、厳しい教師、日常にはびこる暴力、盗み、喧嘩…そんな環境で過ごす毎日にうんざりし、校風に馴染めず中退してしまいました。
その後、3ヶ月ほど療養しながらふさぎ込んだ気持ちをもう一度立て直し、大検(今の高認)を受けるために予備校に入学。高校中退前後は自暴自棄の状態になっていて、もう就職するとか、働くとか色んなことを考えましたが、親の説得もあり、もう一度大検を受けて勉強をやり直すことにしました。
高校2年の年齢で大検を取得し、高校3年の年齢で大学受験予備校に移り、大学を受験。志望校には惜しくも届かず、1年の浪人を経て、浪人後に新しく変えた志望校に合格しました。
合格したのは偏差値60を超える、とある私立大学でした。大学受験の勉強を始めた時は偏差値40ギリギリあったぐらいの低レベルで、中学レベルの内容も怪しい所からのスタートでしたが、まぁ3教科だけの私立大学ならなんとかなったという訳です。
さすがに国公立大は無理でしたけども、高校中退からでも難関私大ぐらいなら十分手が届きます。進学校出身の人であれば、国公立大でもどこでも合格できると思いますし、私のような例は全国にもたくさんあると思います。
大学卒業後は一般企業に就職し、今もそこで働いています。年齢は31歳ですが、年収も1,000万超えた年も普通にあるし、別に高校中退=人生終了なんてことも、自分の経歴のせいで不利になっていると感じたことは全くありません。今は結婚して子供もいます。
大学に合格するまでは学歴は中卒のままだったんでプレッシャーはありましたけども、普通に高校に通っていては絶対に届かないレベルの大学にも行けた。あの動物園のような低レベルの高校生活をおさらばし、真面目に勉強することが出来たし、大学での4年間も満喫できた。
自分の人生にも大きい経験がたくさんでき、満足満足、という訳です。
あの高校に入学したことは後悔していますが、中退したことに後悔はありません。あそこで高校を辞めたことが、自分の人生のターニングポイントになったことは紛れもない事実です。私の経歴は高校中退からの成功例と言えるかどうかはわかりませんが、少なくとも失敗ではない。
また、私のような例は特殊、特別という人がいますが、実はそういう訳でもありません。
私が知っている、高校中退から上手く立ち直って自立している人たちの成功例
ここで紹介できるのは極一部ですが、私の他に高校中退から立ち直った人を、私が知っている例で紹介します。
大検予備校で一緒だったA君は進学した高校での厳しい学風や学則に馴染めずに中退。
その後しばらくは建設現場で働いていたが、将来を案じ19歳で予備校に通いだし、高認(当時の大検)を取得。その半年後に現役生から2年遅れ(つまり2浪の年齢)で地元の私立大学に進学し、4年で無事卒業し、地元の一般企業に勤務しています。
その人は何度か転職をしていますが、もともと性格が明るく、頭の回転が速いのかトークが異常に上手い。人当たりが相当に良いのもあって、就職口に困っているという話、自分の経歴のせいで不利を被ったとか、収入が低くて…という話は一切聞きません。
むしろ、引き抜かれる形で転職しているぐらいです。営業など人とか関わる仕事が向いているのだと思います。
同じく大検予備校で一緒だったB君は、高校3年の1学期に事情あって高校を中途退学。
その後、高認を取って私立大学に進学し就職と同時に上京。製造メーカーに勤務し、その後は名古屋に転勤になり、結婚し、子も授かり、家庭を持って幸せに暮らしています。
別の女性では、進学した高校の校風にどうしても馴染むことが出来ず、高校1年で中退。中退と同時に、通信制高校に転入し、そこを3年で卒業しました。卒業後は短大に進み、医療事務の資格を取って現在は病院にて勤務。
このように、高校中退からやり直す例なんて、言い方は悪いですが、全国に吐いて腐るほどいます。高校中退=人生終了、高校中退すれば100%後悔する、高校中退は人にあらず…なんて考えている人は世界が狭すぎる。
高校中退して通信制高校から難関大に進学した例だって普通にありますし、公務員になったり、看護師になったり、保育士になったり、それぞれ、思い思いの道に進んでいます。
私の時代は規制緩和が行われる直前で通信制高校が今よりずっと少なかったこともあり、大検(高認)の方がメジャーでした。しかし今となっては通信制高校の生徒が爆発的に増え、高校中退後の主要な進路として認知されています。
高校中退からの成功を掴み取るには最低限、高卒資格を取ろう
ここまで見てきたように、高校中退=人生終了ではなく、高校中退してからどんな進路選択をするかが非常に重要だということが分かります。少なくとも、10代の若いうちに高卒資格を取っておかないと、後々大きいハンデを背負うことは明らかです。
将来、高校中退してよかったと思いたいのであれば、最低限、通信制高校に入り直して高卒資格を取るなり、高卒認定試験を受けて進学するなり、しておくことが必須条件です。
ここでいい加減にフリーターになったりして時間を無駄に過ごしてしまうと、後戻りするのも大変になってくる。せめて、10代の若いうちに勉強をやり直すこと。これが超・超・超重要なことです。
高校中退前でないと通信制高校へ有利な条件での転入はできない
高校中退後の進路については「高校中退したその後の進路/主な選択肢は6つ」で記載している通りです。勉強をやり直すのであれば、通信制高校か高卒認定試験を選ぶ人がほとんどです。
どちらを選んでも良いのですが、今現在、あなたがどこかの高校にまだ在学中なのであれば、通信制高校に有利な条件で転入することができます。卒業時期も同級生と同じだし、履歴書にも△△高校中退の文字を残さなくて済みますので、在学中の人はまず通信制高校への転入を検討してみてはいかがでしょうか。
検討の結果、高卒認定試験の方が良いと感じたのであればそちらを選べば良いと思います。ただ、既に高校を中退してから通信制高校へ入る場合は転入ではなく編入しなければいけないので、卒業時期が半年ほどズレてしまいますし、履歴書にも高校中退の文字が残る点に注意です。
〔参考〕
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