高卒認定試験はの前身である、旧大検(大学入学資格検定)からの変更された項目の一つが、高校在学中での受験が認められるようになったことです。
以前は全日制、通信制、定時制問わずいかなる高校で
あっても在籍中であれば受験することが出来ませんでしたが、高認試験に代わってからは受験することが出来ます。
今現在、全日制高校に在籍していながら不登校などの理由で単位取得が危うい場合、高卒認定試験を受験することで留年や中途退学を回避できる可能性があります。
高校在学中に高卒認定試験を受けるメリットは?
通信制高校に在学中、もしくは高卒認定試験と通信制高校の単位併用については「【大学進学が前提】通信制高校と高卒認定試験のどっちを選ぶか」で紹介していますので、ここでは全日制高校に絞って話を進めていきます。
全日制高校在学中に高卒認定試験を受ける方は非常に少ないと思いますが、受験することが出来ます。そのメリットは、高卒認定試験で合格した科目を全日制高校の単位として認められるという点です。
以前は出席日数や定期試験などの諸条件をクリアした人のみが全日制高校での単位取得として認められましたが、現在では高卒認定試験でその科目を合格すれば単位認定されることがあります。
ただし、単位として認めるかどうかは校長の判断次第
しかし、デメリットがあります。
それは、高卒認定試験で合格した科目を全日制高校の単位として認めるかどうかは、その学校の校長先生の判断次第だということ。
制度としては非常にあいまいで、認められる人もいれば認められない人もいるという、国の制度としてはなんとも不公平感があります。
もし特定の単位取得が危うい場合や、留年、中途退学が迫っていて高認で補いたい場合、必ず学校側に問い合わせてみることをお勧めします。
高校在学中の生徒はどういう場面で高卒認定試験を活用するのか
大抵の場合は、一つないし、複数の科目の単位が取れないことで留年してしまうのを避ける為に活用されます。もしくは、不登校の生徒の学習成果の評価に使われたりもします。
一般的に、怪我や病気、不登校など様々な事情で特定科目の単位取得見込みが薄い場合、8月と11月に開催される高卒認定試験を受験、その科目を合格すれば単位認定という流れです。
全日制高校は1年間に取得するべき単位が決まっていて、その中でどれか一つでも落とせば留年です(これを学年制と言い、通信制高校は単位制)。
翌年は取りこぼした単位以外の全ての教科を最初からやり直す必要がある「学年制」のため、その留年を回避するために高卒認定試験を受験するということ。
しかし、学年制を敷く日本の全日制高校では学年の変わり目が4月、3学期の期末は2月か3月付近です。
高卒認定試験の開催日程は8月と11月のため、高卒認定試験の受験日程(出願日程)までに単位取得が危ういと分からなければ受験すらできない、という複雑な事情もあります。
全日制高校在学中で高卒認定試験を受験を受ける人数
ここまで書くと、全日制高校に在籍しながら高卒認定試験を受ける人はかなり少ないんじゃないの?と思われるでしょう。実は、私もそう思っていました。
しかし、調べてみると案外そうでもないんです。
文部科学省が行った「平成26年度高等学校卒業程度認定試験出願状況(※リンク先PDF)」というデータを見てみると、ななななんと、全日制高校在学中の生徒は全体の10%もいます。人数にして、約2,700人。
出願者の中で最も多いのが高校を中退した人で、全体の約半数(約13,300人)。次に多いのが定時制・通信制高校在学中の人で割合は21.6%(約5,800人)。
意外と言っていいのかわかりませんが、全日制高校在学中の高卒認定試験受験者数は案外多いな、という印象です。
不登校で出席状況や単位状況が厳しい人はとりあえず学校に問い合わせを
もしあなた本人、もしくはあなたのお子さんが全日制高校に在学中で、不登校などの理由により留年危機にある場合、念のため学校側に問い合わせをしているといいと思います。
高卒認定試験の合格科目を単位として認定し、進級措置をとってくれるかどうかは、前述の通り校長先生の判断にゆだねられています。
もし本人が学校に残れるのであれば残りたい、しかし留年するぐらいなら辞めるしかないという状況であるなら、1発逆転で流れを変えられるかもしれません。