中学生、高校生が不登校から自分の部屋に閉じこもり、引きこもってしまう話は珍しくありません。
親はなんとか外へ出て社会復帰して欲しいのが本音だと思いますが、そのためには子供への接し方だけでなく、こどもの部屋の環境も考えなければいけません。
自分の部屋が快適で、すべてがそろっていては外に出る必要がなくなります。
自分の部屋に閉じこもってばかりで、食事は部屋の前まで持っていき、終われば食器だけ回収する。
リビングに出てくることもほとんどなく、まともに出てくるのはせいぜいトイレぐらい。
こんな状況では不登校がどうとか以前の問題です。
重度の引きこもりになってしまうと、なかなか社会復帰は難しくなってしまいますから、不登校の子を持つ親の方には頭の片隅には入れておいて損はない情報だと思います。
小学生、中学生、高校生の不登校引きこもり対策で重要になる家電はパソコンだけじゃない
自分お部屋を快適にするには、あなただったら何を部屋に置きたいでしょうか?
子供が自分の部屋に閉じこもって引きこもらないためには、この視点がとても大切です。
私が考える、引きこもりを助長する上に更なる深刻化を招く3大家電です。番号は小さいものほど避けたいもの。
- エアコン
- パソコン
- テレビ+ゲーム
快適な温度を提供してくれるエアコンは引きこもりの敵
最も避けたいのがエアコンです。(地域によりますが)人は寒さには多少耐えられますが、日本の夏の暑さをエアコン抜きでずっと過ごすのには一苦労。
北日本の寒い地域であれば、自分の部屋で寒さを耐えるのが難しい地域もあるでしょう。
とにかく、エアコンというのは快適な温度空間を作り出すうえで極めて重要なものです。
もし子供が部屋に不登校で引きこもりがちであっても、エアコンは与えない方がいいでしょう。
ネット依存と引きこもり(不登校)は1セット
2番目に挙げられるのがパソコンです。
ノートパソコンでも自宅の中に無線LANやWi-Fiを飛ばしていて自分の部屋でネットが出来る場合は要注意です。
パソコンでのネットは極力リビングで行うようにした方が賢明です。
スマートフォンでのネットは仕方ない一面もありますが、長時間ネットするにはやはり画面が小さく操作性もまだまだ不便です。
ですから、その不便さを与えているという意味ではまだパソコンよりはましでしょう。
〔参考記事〕→ 不登校中の家での過ごし方/ネット依存とゲーム依存に昼夜逆転
「ネットの利用は1日3時間までといったルールを設けるのがよい」という意見もありますがあまり効果を発揮した例は聞きません。
ある意味理想論で、やはり人間は欲に弱いのでルールを設けても破られることの方が多いように思います。
テレビ+ゲームは上記2つよりはましだが…
エアコン、パソコンに比べればテレビとゲームはまだましです。
ただ、ネットと同じように熱中しすぎると昼夜逆転し、生活リズムが狂います。やりすぎを放っておくのも気が引けるでしょう。
不登校が少しずつ安定してきたときの昼夜逆転とゲーム依存は、言い方は悪いですが多くの不登校生徒に共通するもので、それ自体が悪い訳ではありません。
テレビとゲームは与えてもソフトの数をこれ以上増やさないとか、多少でもいいので何らかの制限はつけておくと安心かもしれません。
快適すぎる住環境は外に出ようとする意欲を失わせる
ここまで見てきたとおり、自分の部屋で快適に過ごすための道具や家電が一通りそろっていると、なかなか部屋からは出てこなくなります。
子供が不登校で自宅にずっといる場合は、自分の部屋はちょっと一人で落ち着いてくつろぐぐらいの環境にしておいて、部屋で大抵のものが揃うという状況は極力避けた方がいいですね。
エアコンなど、快適家電を既に与えている場合
もう既にエアコンなどを取り付けてしまっている家庭はどうすべきか。
パソコンの場合は無線LANやWi-Fiを辞めて有線のみにする方法もあります。
無理やり取り上げるというよりは、故障を装って本当に壊してしまうとか、何か理由をつけて外さないと、子供が暴れる可能性があります。
エアコンにおいては強引に取り外すのが難しいですし、故障を装うのも難しいです。
そういう時は修理屋さんなどに話を通して、部品を買い替えないと危険だとか、このままでは壊れるなどと条件を付けて実際に来てもらって取り調べ、新しいのが必要だと演技するのも一つ。(有効かどうかはわかりませんが…)
あるいは、多少強引な方法もあります。
電気代が高いので利用を抑えてもらうとか、それが無理なら最新の新しいものが必要だと嘘を言って外へ連れ出す。
パソコンの場合でも同じで、新しいものは必要だから子供が店に行って自分の目で見て選びなさいと言うのもいいでしょう。
少しでも外へ出て意識を変えさせるチャンスです。
自分の部屋に籠城させないために与えていいものいけないもの
ここではエアコン、パソコン、ゲーム+テレビを取り上げましたが、家電だけでなく他の物を与えていいかどうかを迷った時は、以下の基準を参考にしてみてください。
- 自分の部屋の外に出る機会を奪うものは与えない
単純ではありますが、この基準は結構大事です。
「リビングなど自分の部屋の外で行っていたものを自分の部屋で行えるようにできるもの」は与えない方がいい。
それなら、年齢に即したお小遣い(現金)を与えて、外へ出る機会を作る方がましです。
親のクレジットカードは使わせない
当然の事ですが、要はAmazonなどのネットショッピングですべてが完結できないようにしておく、というのも大切です。
物を買い求めるというのは外へ出ていくいい機会なので、それをネットだけで完結させるのは、不登校や引きこもりに近い子供には適しません。
快適すぎる住環境は外出意欲を削ぐのは大人でも同じ
引きこもりは先進国ほど多くなります。
発展途上国で子供や大人が引きこもっているという話はあまり聞きませんし、昔の日本でもあまり聞かなかった話です。
昔の日本でも、今の途上国で引きこもりが少ない理由は、自宅に引きこもっても生きていけない不便さがあるからです。
その不便さが解消され、自分の部屋だけでも生きていける外部環境が整って初めて引きこもりが発生します。
大人でも、快適な環境から動くのは気苦労するもの。
子供が不登校で自宅の部屋に閉じこもりがちなのであれば、快適すぎる環境は解決を遠ざけるものとして覚えておいてほしいと思います。