子供の不安取り除いてあげたいというのは不登校の子を持つ親の共通の願いです。
学校生活で痛み、消耗しきってすさんだ心を少しでも癒してあげたいが、どう接してあげるのがいいでしょうか。
明確な答えは人それぞれあると思いますが、人は人を変えられません。
他人を変える前に、自分が変わらなければいけない。
子供の不安を取り除きたいなら、親がまずその不安を感じずに幸せでいること。
それは、子供を安心させるには親がまず心の底から安心するのが一番なんではないか、と。
親が不幸や不安を感じていては子供をさらに不幸にさせるだけ
子供が不登校になり、家でふさぎ込んでいる姿を見て幸せを感じる親はいないと思います。
でも、子供は子供なりに悩み、自分が生きる意味を見失っています。
- 自分は生きていてもしょうがない
- 自分を必要としてくれる人は誰もいない
- なぜ自分はこんなことになったのか
- どうすればいいかわからない
こんなことを考えて落ち込んでいる子供を見て、親は余計に心配し、苦しみます。
不登校の初期、つまり行きしぶりの時期は親子ともども混乱していますから、酷い言葉の応酬や強引なやりとりと共に涙を流された親御さんも多いはず。
子供は親の不安がる様子をみて余計に不安を増幅させます。
自分が子供の頃、親の涙を見て安心した人はいないでしょう。
大抵の場合、事態の深刻さに心を痛めるでしょうし、その原因が自分にあったのなら余計に心を締め付けられたはずです。
仕事で上司の表情から学んだ子供と親の関係
最近、自分が就職して間もないころに書いたメモやノートを見返す機会がありました。
色々と当時の事を思い出したのですが、仕事や会社のことがまだよく理解できていなかったとき、先輩や上司の顔色を色々伺いながらのを思い出しました。
自分が失敗してマズイ!と冷や汗を流している時に、「大丈夫大丈夫!そんなことで心配してるのかお前」と笑って言われたら、「あ、大丈夫なんだ」と心底安心しました。
逆に、大したことないと思っていても先輩や上司が顔色を一変させて厳しい表情を浮かべながらキツい言葉を自分に投げかけた時、一気に自分のやったことの重大さに気づいて冷や汗だらだらです。
つまり、目下の人間は目上の人間の感情に良くも悪くも大きく振り回されるという事です。これは親と子の関係においても同じではないでしょうか。
親の幸せと安心が子供の幸せと安心に繋がる
もし子供が心底不安がって悩んでいても、親が「そんなこと大したことない」と本気で笑って言ってくれればやはり子供は安心します。その逆もしかりです。
つまり、悩んで激しく落ち込んでいる子供の不安を取り除いてあげたいなら、親自身がその問題に対して(本気で)安心するのが最も効果的ではないか、と思うのです。
これは自分が不登校だったときに、自分の感情が親の感情に左右されたことは全く意識しませんでしたし、あまり感じたことはありません。
しかしそれは至って当然すぎることで、それに全く気付かず無意識的なものだったからかもしれません。
良くも悪くも子供は親の影響を強く受けるもの
もう一度自分の子供の頃を思い返してほしいのですが、子供の頃に自分が大人になった時の想像をしたとき、大抵の場合は親の影響を強く受けていたはずです。
女性であれば、母親の姿を見て男性と何歳ぐらいで結婚して子供が何人で、こういう母親になるのかな、とか。
共働きの家庭であれば自分も仕事をして、母親が専業主婦だったのであれば自分もそうなるのが当たり前のように感じていませんでしたか。
男性であれば、父親の仕事と同じようなことをするのかな、とか。
海外出張が多い父親なら、自分も世界のいろんな国に行く仕事をするのかなとか。
良くも悪くも、子供はやはり親の背中を見て成長します。不登校云々は抜きにして、子供にとって最も身近な大人ですから、おのずと強い影響を受けて生きていくものです。
子供に感じてほしい幸せがあるなら親が先にその幸せを満喫してみる
子供が感じてほしい幸せがあるなら、まずは親がその幸せを満喫し、それを伝えるのが意外と効果的。
何か自己啓発のような、非科学的でスピリチュアルな話になりましたが、自分が幸せを感じることは不登校の子供のみならず教育にはいい影響を与えられるかもしれませんね。
社会と交わる価値を感じてほしいなら親がまずそれを目一杯感じよう
不登校の子供に、あなたはどんな価値に気付いてほしいですか。
どんな幸せを感じてほしいですか。
その幸せは、あなたが今思う存分感じているものですか。
もしそうでないなら、自分がその幸せを感じる努力をしてみてください。
その幸せを子供も共感するかどうかはもちろん、わかりません。子供の幸せは子供が感じ、決めることだからです。
でも、子供が将来に対して悲観していて、今の生活に不安がっているのを取り除いてあげたいなら、(言い方は奇妙ですが)親がまずその不安を感じず安心する努力をしてみてください。
子供が自分を嫌っていて、自分の存在を受け入れられていないのなら、親は自分を愛し、そして子供をありのまま愛してあげてください。
それで子供が変化するかどうかは全く持ってエビデンス(証拠)はありませんが、試してみる価値はあると思いますよ。