中学生での不登校数は今やクラスに一人という割合です。不登校になり始めの初期では各家庭で混乱と暗い雰囲気が蔓延していることと思います。
学校にいけなくなってしまった子供の存在が悩ましく、また救ってあげたい一心でも厳しくすべきなのか、どう接するべきなのか、互いが模索しながらもぶつかり合う日常に疲れ果ててしまうケースが後を絶ちません。
中学生の頃に不登校だった私の個人的な経験談ですが、今いろいろな書籍で勉強しながら振り返ると、今同じような境遇にある親御さんたちにアドバイスできることも少なからずあります。
またこの記事が全ての人に役に立つかは分かりませんが、ひとつの意見、モデルケースして参考にして頂ければ嬉しく思います。
中学生の不登校の各段階によって望ましい親の対応も変わる
まず大前提として「不登校には段階がある」ということを理解してほしいと思います。
まず中学生の子供が不登校になってしまった親の方には、この段階の存在を知って下さい。
そして、各段階でどのような状態になるのか、どのような対応が望ましいのかを最初にリンク先の記事で理解して下さい。
最初の段階における不登校の中学生対応は優しく受け入れることから
ここでようやく前提の話が終わりです。ここからは親の対応として気になる、最初の初期(急性・行き渋りの時期)でどのような対応をすべきかを考えてみます。
まず一般的に言われるのは「優しく受け入れてあげて、子どもの自主性に任せるべき」という考え方と「放っておくのは親の怠慢に過ぎず、本人を甘やかせるだけなのだから厳しくとも強い登校刺激を与えるべき」の意見です。
この辺りについては「親の不登校対応は見守ることから」の記事で見解を述べています。結論を言うと、見守るという選択の方が上手くいく可能性が高いです。
酷いいじめで不登校になった場合や明確な理由、原因がある場合はそれに準じた対応が必要です。
しかし、いずれにしても無理やり行かせるなどの厳しい対応をとってもあまり効果は長続きしません。
少なくとも、ここで紹介しているような「学校に行かなければいけない」と自覚しており、なおかつそれに対する葛藤と苦しみを感じている不登校の中学生には厳しい対応をしても状況は良くならないというのが、私の持論です。
対応のポイントは聞き出す、批判するのではなく相談するイメージ
当たり前のことを指摘します。不登校は子供だけの問題ではありません。親も当事者です。
それを子供に押し付けるのは、やはり可哀想ですし、望ましい親の対応とはいえません。
もう一度言います。不登校の中学生の子供を持つ親も不登校の当事者です。
ですから、「学校はどうするつもりなの?受験のことどう考えているの?」とお節介的に問い詰めても堂々巡り。
「わかってるよ、学校行くってば!」とか「うるさいなぁ!」とか機嫌が悪くなって部屋にとじ込もってしまったりするのがオチでしょう。
正論を突きつけられると本人としても結構辛いです。
追い詰められるというか、自分が情けなくなるというか、どれだけ自分がダメなのかを突きつけられているような感覚というか…。
学校は行って当たり前、社会で通用しない、ダメ人間、人生終わり。
そんなことは子供が一番よく分かっています。
正論攻撃は絶対にやめた方がいいです。
一緒に考えるとは具体的にどういうこと?
「学校、どうしようか?」、「受験、どうしようか?」で充分。
「いつまで学校行かないつもり!?」「受験のことは一体どう考えているの!?」よりも一呼吸おいて相談するイメージ。
ポイントは不登校を完全に受け入れた上で聞くこと。
そして、「今度の旅行、どこ行く?」「今日何食べる?」ぐらいの感じで「どうしようか」と相談するのがちょうどいいです。
当事者の親子が相談しながら一緒になって考える、忘れがちですがこれは本当に大事です。
昼夜逆転とゲーム依存・ネット依存はある意味正常な変化
ここで心配している人も多いであろう、ネットとゲーム依存、昼夜逆転についても述べておきます。
まず、不登校の生徒の段階推移としてはごく一般的であることを伝えておきます。
この昼夜逆転&ゲーム&ネットは大半の不登校生徒に見られる共通のものです。
で、これらの状態にあった不登校生徒はその後しっかり復帰しています。
不登校の対応のポイントは「見捨てずに見守ること」
親という字は「木の上に立って見守る」と書きます。不登校の対応はまさにこの対応が大切。
口うるさく言わない。でも放置はせず、しっかり見守る。
子供が自分のことを心配している、親は自分のことを大切の思ってくれていると伝わっていれば、子供は大抵不登校を克服できます。
あまり口うるさく、命令や批判ばかり行ってしまうと余計に殻に閉じこもり、誰にも相談せずどうにもこうにも行かなくなってしまいます。
この口うるさく言わないが放置ではなく、きちんと見守るというのが究極の正解です。
親の対応は不登校をよく理解することから
子供にとって見れば、不登校になった自分を「自分のせいでこんなことになってしまい、親を巻き込んでしまって申し訳ない」という気持ちで一杯です。
親が不登校に対してしかるべき対応をとりたいと思うのであれば、不登校をよく理解することがそのスタートです。不登校に関する様々な書籍は数多く出版されていますし、支援先もたくさんあります。
また、同じ悩みを抱えた親の会といった場所もありますから、親の自分が悪いと自分自身を責めないでほしいと思います。
不登校でも子供は成長している(経験談)
不登校は親の教育が悪いわけではありません。また、子供だけの責任でもありません。
不登校でも、生きて行けます。私は中学で不登校→私立全日制高校で不登校→中退でしたが、その後大検をとって大学へ進学しました。
偏差値は60以上の大学だったので、大逆転でした。その後一般企業に就職し、働いています。
一つ確かなことは、不登校でも将来お先真っ暗ではありません。きちんとした知識と共に対応し、子供をサポートしてあげれば明るい将来が待っています。
これは私のケースだけではなく、色々な書籍で不登校経験者のその後を見ましたが、やはり意見は同様です。
必ず明るい未来がやってきます。
そして、「そんなこともあった」と笑って振り返る日が来ますから、それを信じてほしいと思います。
日本全国には、辛かった不登校の思い出を懐かしい思い出に変えた家庭がたくさんありますから。