小学生、中学生、高校生、どの年代においても不登校は誰にでも起こりえます。
そんな学校へ行こうとしない、行けない子供の姿を見て親はオロオロし、原因を探そうとします。
子供から根掘り葉掘り聞き出そうとしますが、子供は中々話しません。子供が学校に行かなくなる本当の理由・原因は一体どこにあるのでしょうか。
子供が不登校になる本当の理由と原因は学校への違和感だった?
極論を言うと、子供が学校へ行けなくなった背景にあるのは学校内にある何かとみてほぼほぼ間違いありません。
家庭内での環境や家族関係、親子関係が起因していることもありますが、とある調査では全体の10%以下という結果すらあります。
学校内にあるなにか、というのは教師、友人、部活動内の人間関係と確執、勉強、授業、学校の体質や雰囲気などが挙げられます。
細かいことは人によって様々あるので分類するとしたらここまでが限界ですが、結局のところ、子供が不登校になる本当の原因は以下の一文に集約されます。
自分の考えと周囲の人間(教師、友人、親)との考えが食い違い溝が埋められない
ほぼほぼこれといっていいです。
不登校のキッカケは案外ささいなもので、それまでの背景の積み重ねの上に怒ります。
その背景の積み重ねの中にあるのが、上にある自分と他者との相違に違和感を覚えて周囲に合わせることに疲れ果てて消耗してていることと言っていいでしょう。
私が不登校経験を振り返った時に、多分こういう背景で消耗していたんだろうなとようやく正確に振り返れたのは、10年以上経過してからでした。
それを今すぐ子供に原因や背景を正確に言えというのは無理難題です。
大人にしてみれば「気にするな」の一言で済ませてしまう違和感
周囲と価値観が合わない場所に毎日毎日長い時間過ごすのはとっても苦痛です。
周囲が子供に見えることもあるし、なんで周囲に迷惑をかけるとわかっていることを平気でやれるんだろうか、と不思議に思う事もあります。
友達関係がこじれているわけではないけど、本音で話したり本当の自分を出せない空間が学校という場所になってしまうと、やっぱりしんどい。
一部の生徒が問題を起こして、その生徒たちと教師だけで解決すればいいものを、全体主義と連帯責任を美徳とする学校教育では、ほんの一部の生徒の起こした問題のために全員の前で長い説教を受けることになります。勘弁してくれよ、と思うのは当たり前です。
それを、大人は「自分が怒られてる訳ではなんだから、そんなこといちいち気にするな」と言うのですが、苦痛に感じる価値観も世の中にはあるという事。
私が中学校の時に呆れたのは、学年集会で遅刻してきた数人の生徒に怒った教師が「お前たちが10分間遅刻したことで、学年200人の時間を奪っている。10分×200人分、30時間以上の時間をお前たちは無駄にしたんだぞ」という学年生徒全員の前で説教をしました。
その説教が30分です。
他人に強いことを言う割にはじゃあ自分はどうなんだ、と言いたくなるのですが、それを言ってしまうと刃向う生徒としてこっちが叱責されます。
結局、おかしいと思っていても黙っているしかないし、明らかに相手が間違っていても教師は謝っているところは見たことない。
結局、教師の言う事に黙って従わなければいけないんです。こっちの意見をしっかり聞いてくれて、間違っているところを受け入れ、謝罪し、しっかり対応するのが筋だと思うのですが、学校ではその当たり前が通用しない。
現状をよりよくするためにどうすればいいかをしっかりわかっているのに、誰もそうしようとしない。
世の中は民主主義でも、学校という閉鎖的な空間は民主主義では絶対にないし、平等とは言えまぜん。しかもそれを黙って受け入れなければいけない。
その違和感の連続的な積み重ねで消耗していっているのは事実だと思います。
子供に不登校の原因や理由を聞き出しても効果は出ない
親はなんとか学校に復帰して欲しいと願うでしょう。
そのために、なにか原因があるのならそれを取り除けば子供が学校に戻ってくれると信じています。
→ 国の不登校対策:文部科学省や教師の学校対応の目的は学校復帰
しかし、それは真実ではありません。
なぜなら、子供は親に本当の理由や原因を言わないからです。
正確には、言いたくても自分でわかっていないから言えないのもあります。
本当の原因や理由が自分で分かっている場合でも、おそらく正直に言ってくれる子供は少ないでしょう。
なぜなら、学校へ戻そうと焦って躍起になっている親に話そうものなら、本人の承諾なく勝手に親が動いてしまい、状況を悪化させて余計に学校に行きづらくなるからです。
いじめや友達関係でもめているときに、親がしゃしゃり出てきて相手の親と話したり、学校の先生に話されてしまうと余計にプライドが傷つくし、相手との関係も悪化しかねません。
親の焦っている顔をみて、余計に言いたくなくなる、というのも真実の側面です。
不登校の原因は子供が現実を受け止め自分なりの整理がついたら自分から言ってくれる
全員ではありませんが、不登校の混乱が落ち着いて、ようやく落ち着き始めた頃になって子供が自分から「あの時実は…」と話しだす例はたくさんあります。
子供は充分に心身のエネルギーを充電し、自分なりに今の現実を整理して受け止められると、自分から話してくれると思います。
もちろん全員が全員そうではありませんが、もし話してくれなくても本人ですらあの時学校に行けなくなった本当の原因をわかっていないからかもしれません。
でもその時点では不登校は既に過去の出来事であり、家庭内の雰囲気もずいぶん明るくなっているはずです。
今焦って子供に聞き出そうとするよりも、こういう状況を1日でも早く訪れてくれるよう、環境を整えたほうがいいと私は思います。