小学生や中学生、高校生と年齢年代問わず不登校の子供を持つ親の気持ちというのはある程度共通したものがあります。
文字で簡単に分類できるほど、実情は生易しいものではありませんし、実際に悩んでおられる方の心情はかなり苦しいものであると思います。
ただ、あえてこの記事で不登校の子供を持つ親の気持ちを書くのは、決してあなただけが悩んでいる訳ではない、ということを伝えたいからです。
不登校の子供を持っている(既に克服した親も含めて)親は皆、同じような心の叫びを持っています。
決してあなただけが世界で孤立して悩んでいる訳ではないので、共通した親の気持ちというテーマを記事にしてみます。
不登校の子を持つ母親の辛い気持ち
なんとか子供に学校に行ってほしいとか、学校に復帰させるにはどうすればいいか、なんていう表面的で当たり前のことはここでは挙げません。
それ以外で、不登校の子供を持つ親はどんな悩みと心の叫びを抱えているでしょうか。
色々な書籍やネットでの書き込みなどを参考にしていくと、全ての親とは限らないまでもこんな共通点が見つかります。それが以下の7つです。
- 子供が何を考えているのかわからない(特に男の子)
- 親に対する子供の暴言や暴力に頭を悩ませている
- 子供が不登校になってから夫(旦那)が協力してくれずどんどん不仲に
- 親の気持ちを子供に分かってほしい VS 子供の気持ちを親に分かってほしい
- 誰かに相談したいが教育について他人にあれこれ口出しされたくない
- 子供を救ってあげたいがどうすればいいか分からず、そろそろ限界に
- 近所に住む方や周囲の目、同級生の親の目、そして世間体を気にしてしまう
この中から幾つかをピックアップして解説していきます。
不登校の子供が何を考えているかわからない!
特に中学生や高校生の男の子ほどこの傾向が強いです。
思春期に差し掛かってきた男児は家族の前で無口になることがありますし、学校に行きたくない理由や原因を聞きたくても話してくれません。
いじめでもないし、人間関係にトラブルがある訳でもなさそう。学校の何が嫌で行こうとしないのか、なぜ学校に行くのを嫌がるのかもわからない。
口うるさくは言ってはみるものの、「ちゃんと考えてる」などの返答だけであったり、学校の話をするだけですぐに部屋に戻ってしまうのはよくあることです。
親が子供の気持ちを分からないのは当たり前!だって子供も自分の考えがわからないから
子供の心情としては、自分でもなぜ学校に行けないのかわかっていない場合もあります。
大人でもない年齢の子供が、自分の悩みを冷静に見極めて誰かに分かりやすく説明できるほど語彙力も経験も備わっていませんし、自分の中で消化も出来ていないかもしれません。
親が子供の気持ちを分からないと、親としての自信を失うかもしれません。
でも、親が子供の気持ちがわからないのは、日本全国の親に共通していること。
だって、自分以外の人間の心の声を100%理解するのはそもそも不可能です。
それに、大人でも自分の感情の整理がつかず上手く説明できない時だってあると思います。
不登校の状態で心身共に大きく混乱しているのであればなおさら、子供自身も自分の考えや感情がイマイチわかっていない場合が多いでしょう。
不登校の子供の暴言や暴力に悩まされている
- 自分なんか生まれてこなければよかった!
- 自分なんて死んでしまえばいいんだ!
- 頼んでもないのになんで自分を産んだんだ!
親としては心が痛い強烈な暴言です。
不登校の子供はまず間違いなく今の自分が嫌いです。
自分が好きで不登校になっているという人はほとんど聞いたことがありません。
自分という存在を自分ですら認めてあげられないほどに追い詰められてしまい、最後の砦である親からも見放されたり、傷つけられるのが怖くて仕方ない。
だからこそ、こういった暴言が出てきます。
この段階は落ち着いて話をする段階でもない、まだまだ混乱の状態です。
なので、まずは家庭内で子供が安心して過ごせる心安らぐ居場所を作ってあげるのがいいでしょう。
誰かに相談したいが教育方針について他人に口出しされたくない
矛盾はしていますが究極の本音と言えます。
この苦しみを誰かに相談して吐き出したいが、親である自分の教育が悪いなど痛いことを言われるのが怖い。でも、誰かに相談したい。
子供への教育は普通にしてきたつもりだし、何か間違ったことをした覚えはないと思います。
他人に自分の子供への教育方針をあれこれ口出しされるのは、例え身内であっても鬱陶しいものです。
適度な距離感で自分を尊重してくれつつ、自分の心の声を誰かに聴いてほしいというのが本音ではないか、と思います。
不登校の子供を持つ親の会など支援先を活用する勇気を
不登校の子供を持つ母親は、子供の不登校をきっかけに父親と不仲になることがあります。
夫が協力してくれなかったり、相談にも乗ってくれず、自分は何もせず任せっきりのくせに文句だけは一人前、とか。
母子家庭の場合はともかく、両親が揃っている場合に子供の不登校が原因で両親が不仲になると、さらに子供を追い詰めます。
その結果、母親が一人ですべてを抱え込んで精神的・肉体的に消耗し追い詰められることも少なくありません。
夫の理解は当然必要ですが、全てを一人で抱え込むことはありません。
今の日本には不登校の子を持つ親の会や不登校の親のためのカウンセリングなど支援先が多くあります。
同じ境遇で同じ悩みを持った人であれば、しっかりと自分の気持ちを受け止めてくれる仲間がいるはずです。
一人で抱え込まず、勇気をもってこういった支援先を活用してほしいともいます。
親である自分の気持ちを子供に分かってほしい
- 子供の不登校を心配して、親の自分はこんなに苦しんでいる!
- こんなにあなたのことを本気で心配している!
- この気持ちを子供はわかってくれない!
口には出さなくても、やはり人間ですから自分のことを相手に分かってほしいのが本音です。
でも、それと同じことを子供も思っていますよ。親は自分のことを一切わかってくれない!って。
だからお互いがお互い、自分の気持ちの押し付け合いのようになってしまっています。
そうなると、一方通行でお互いが求めあうものがズレてしまいます。
当たり前だが、親が変わらなければ子供は変わらない
ここは本音を一度ぐっとこらえて、社会経験と人生経験が豊富な親が子供をわかってあげることが先決です。
まずは子供の心の叫びに耳を傾けることから始めませんか。
子供の声を聴きたくても子供は一切話してくれないのよ!というのであれば、理由なんてこの切どうだっていいでしょう、
子供の存在を一身に受け入れ愛情を注ぐことからスタートです。
それが子供にとっての心安らぐ家庭での居場所をつくることになりますし、「このままではいけない」という子供の正義感と芯を支えつことになりますから。
〔参考記事〕→ 不登校の将来は不安ばかりじゃない