適応指導教室の対象は主に小学生、中学生です。適応指導教室の運営は各市町村の教育委員会が行っていることが多く、主に義務教育下にある児童・生徒を対象にしています。
ただ、全ての適応指導教室が高校生の受け入れをしていないかというと、そうではありません。あくまで一般的なメインは小中学生で、高校生の受け入れを行っている適応指導教室もあるということです。
適応指導教室の対象は不登校の小学生と中学生、高校生の受け入れも一応ある
適応指導教室の対象と受け入れは市町村のホームページなどで公開されています。それらを見ていくと、やはり適応指導教室のメインとなる対象は小中学生。
数は少ないですが、極稀に高校生の受け入れを行っている所や高校生のみを対象にしたところもあるようです。
やはり高校生ともなると、その先の進路が人それぞれに大きく違いますし、不登校や高校中退から大学進学を目指す場合は適応指導教室よりも予備校の方が現実的な選択肢になります。
また、不登校の高校生は留年になるか中退になりますから、通信制高校や定時制高校、高認試験への受験とそれぞれに受け入れが異なるので、適応指導教室の存在意義があまりないのかもしれません。
適応指導教室は学校内にあることもあれば外部にあることも
適応指導教室は主に青少年センターのような市町村が運営する公共施設に併設されることが多いようです。
また、学校の空き教室を利用したり、専用の場所を作って学校内に適応指導教室を併設する学校もあるようです。
不登校の影響で学校からしばらく遠ざかっている子どもからすれば、学校とはまた違う場所の方が通いやすいメリットが有りますが、学校復帰を目指す場合は学校内にある方が復帰までスムーズに進めやすいかもしれません。
また、学校を行き渋り始めた初期に、教室にはらなくても適応指導教室で過ごせば良いという対応も取りやすいメリットも有ります。
どちらにもそれぞれに良いところがあるので、一概には言えませんが、色々情報を集めてみたり実際に見学に行ってみて子どもが合いそうな場所を選ぶといいと思います。
小学校の大半を不登校で欠席していた人が中学校で復帰したケースも
適応指導教室をはじめ、様々な不登校の外部支援先での活動内容や体験記、スタッフの経験談などが収録されている「不登校の子どものための居場所とネットワーク―ネットワークを活かした支援とは」に収録されていた話です。
小学校のほとんどを不登校で欠席していた女の子が適応指導教室で居場所を見つけ、自分から勉強をしたいと自主的に頑張り、学校との関わりを持っていった話です。
その子は最終的に小学校では教室復帰できなかったものの、中学入学と同時に教室に戻り、見事に不登校を克服したそうです。
そこに至るまでにはスタッフなど様々な人達の協力合ってのことだと思いますが、適応指導教室でもしっかり成長して周囲の大人を感動させるほど健気に頑張っている話は、今我が子が不登校で苦しんでいる親たちにも大きな勇気を与えるのではないでしょうか。
学校復帰を目指す場合と高校進学で復帰を目指す場合も
適応指導教室の目的は学校復帰を含めた社会生活に復帰するために様々な活動を行うことにあります。
本人の希望が優先されると思いますが、本人が今通う学校復帰、教室復帰を目指している場合もあれば、先ほどの女の子のように卒業後に復帰を考えているケースも有ります。
中学校で不登校でも、高校受験で合格し、進学先の高校で留年や中退をせずに卒業を迎えられるように訓練するケースも有ると思います。
ひとつだけのゴールを子供に押し付けるのではなく、子どもが考える理想に近づくために様々な活動を行うのがメインです。
適応指導教室には義務教育での勉強や体験・経験を補う役割もある
義務教育での不登校は勉強の面においても機械損失になります。
全ての子どもが勉強を好きになっていい成績を取ることには大した意味は無いと思いますが、やはり色んな事の勉強の基礎になるのが義務教育での勉強です。
また、勉強が出来ないばかりに必要以上にコンプレックスを感じたり、勉強の基礎ができないばかりに人生の選択肢を狭めてしまうのは悲しいことです。
損得感情で勉強ができたほうがいいというわけではなく、本人が望む人生を歩むためにも義務教育での勉強内容をある程度でも理解して追うことは必要です。
また、適応指導教室によっては学校で行った修学旅行先に泊まりがけで行ってみたり、簡易的な行事を開催するところもあります。
こういった、擬似体験であっても経験をしておくことは本人の自信にもなります。もしこういった経験が無いまま大人になると、音楽会や運動会の話題が出るだけで嫌な気分になったり、話題についていけなかったりする可能性もありますからね。